GA4(Googleアナリティクス4)への移行後、多くのウェブ担当者が「コンバージョン設定の方法が分からない」「何から手をつければ良いのか」といった課題に直面しています。ウェブサイトの成果を正しく計測するためには、コンバージョン設定は避けては通れない重要なプロセスです。
この記事では、GA4における最も基本的なコンバージョン設定の一つである「問い合わせ完了ページ(サンクスページ)への到達」を計測する方法を、3つのステップで具体的に解説します。
さらに、単なる設定手順に留まらず、その計測の先にある「データとどう向き合うべきか」という、ビジネス成果に繋がる本質的な思考法までを探求します。
【手順】サンクスページ到達を計測する3ステップ
ここでは、「問い合わせフォーム送信後に表示される、URLに /thanks を含むページ」への到達をコンバージョンとして計測する、具体的な手順を解説します。
ステップ1:目標となるイベントを新規作成する
まず、GA4の管理画面で「特定のページが表示されたこと」を検知するための、新しいイベントを作成します。
- GA4の左側メニュー下部にある「管理」(歯車アイコン)をクリックします。
- プロパティ列にある「イベント」を選択します。
- 表示された画面の右上にある「イベントを作成」ボタンを押し、次の画面でも「作成」ボタンをクリックします。
- 「カスタムイベントの作成」画面で、以下の通りに条件を設定します。
- カスタムイベント名:
generate_leadと入力します。(これは見込み客の獲得を意味する名称ですが、ご自身で分かりやすい名前に設定して問題ありません) - 一致する条件(1つ目):
- パラメータ:
event_name - 演算子:次と等しい
- 値:
page_view
- パラメータ:
- 「条件を追加」ボタンを押します。
- 一致する条件(2つ目):
- パラメータ:
page_location - 演算子:次を含む
- 値:
/thanks
- パラメータ:
- カスタムイベント名:
- 右上の「作成」ボタンをクリックして保存します。
この設定は、「ウェブサイトのいずれかのページが表示される(page_view)というイベントが発生し、かつ、そのページのURL(page_location)に /thanks という文字列が含まれている場合、generate_lead という名前の新しいイベントを記録する」という意味になります。
ステップ2:作成したイベントをコンバージョンとしてマークする
次に、ステップ1で作成した generate_lead というイベントを、正式なコンバージョンとして計測するための設定を行います。
- 再度「管理」画面に戻り、プロパティ列にある「コンバージョン」を選択します。
- 画面の右上にある「新しいコンバージョンイベント」ボタンをクリックします。
- 表示された入力欄に、ステップ1で作成したカスタムイベント名
generate_leadを正確に入力します。 - 「保存」ボタンをクリックします。
以上で設定は完了です。コンバージョンの一覧画面に generate_lead が表示されれば、設定は正しく行われています。
ステップ3:設定をテストし、データを確認する
最後に、設定が意図した通りに機能しているかを実際に確認します。
- ご自身のPCやスマートフォンで、ウェブサイトのフォームからテスト送信を行い、サンクスページ(URLに/thanksを含むページ)を表示させます。
- GA4の左側メニューから「レポート」>「リアルタイム」を開きます。
- 「イベント数(イベント名別)」と「コンバージョン(イベント名別)」のカードに
generate_leadが1件以上カウントされていれば、設定は成功です。
GA4におけるコンバージョン設定の基本概念
ここまでの手順を終えた上で、GA4の基本的な考え方を理解しておきましょう。GA4では、ウェブサイト上でのユーザーのあらゆる行動を「イベント」として捉えます。ページの表示、クリック、スクロールなど、すべてがイベントです。
そして「コンバージョン」とは、その無数のイベントの中から「私たちのビジネスにとって特に重要な成果である」と定義した、特別なイベントのことを指します。
つまり、GA4の設定は以下の二段階のプロセスで行われているのです。
- ウェブサイト上の重要な行動を「イベント」として定義する。
- そのイベントに対し、「コンバージョンとして計測する」という価値ある印をつける。
この「全ての基点はイベントである」という概念が、GA4を正確に扱うための本質となります。
計測の先にある思考:データとの健全な向き合い方
コンバージョン設定はゴールではありません。計測したデータをビジネスの成果へと正しく結びつけるためには、その数字と健全に向き合う思考法が求められます。
コンバージョン数と「事業成果」の乖離
計測されるコンバージョン数と、実際の事業成果は必ずしも一致しません。例えば、問い合わせ件数が増えても、それが成約に繋がらない質の低い問い合わせばかりでは意味がありません。人生においてSNSの「いいね」の数が、必ずしもその人の幸福度に直結しないのと同じ構造です。
計測しやすい指標(虚栄の指標)に惑わされず、本質的な成果とは何かを常に問い続ける視点が必要です。
最終成果(マクロコンバージョン)への依存
「問い合わせ完了」のような最終成果(マクロコンバージョン)だけを見つめていると、そこに至るまでの重要なユーザー行動を見失う可能性があります。これは、人生における最終目標(例:FIRE達成)だけを見つめるあまり、日々の小さな進歩や学びを見過ごし、やがて挫折してしまう心理と似ています。
「特定のページの閲覧」や「動画の視聴」といった中間的な指標(マイクロコンバージョン)も併せて設定し、顧客が最終成果に至るまでのプロセス全体を評価することが、長い道のりを歩む上での羅針盤となるのです。
よくある質問:コンバージョンが計測されない場合
設定がうまくいかない場合、以下の点を確認してみてください。
- Q. 設定直後なのにリアルタイムレポートに反映されません。 A. GA4のシステムに設定が反映されるまで、数分から数時間かかる場合があります。焦らずに少し時間を置いてから、再度テストと確認を行ってみてください。
- Q. テストでは計測できましたが、その後のデータが増えません。 A. ご自身のオフィスや関係者のアクセスを計測から除外する「IPアドレスフィルタ」が設定されている可能性があります。フィルタ設定を確認し、テスト時とは異なるネットワーク環境(例えばスマートフォンの回線など)からアクセスして計測されるかを確認する方法が考えられます。
- Q. サンクスページ以外の、もっと複雑な設定はできますか? A. 「特定のボタンのクリック」や「PDFファイルのダウンロード」などをコンバージョンとして計測するには、Googleタグマネージャー(GTM)というツールを併用するのが一般的です。この記事の基本的な考え方を理解した上で、次のステップとしてGTMの学習に進むことを検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
GA4におけるコンバージョン設定とは、単なる技術的な作業ではなく、あなたのビジネスにおける「価値の定義」をシステムに反映させる行為です。
- サイトの成果となる行動を「イベント」として作成する。
- そのイベントに「コンバージョン」という価値ある印をつける。
- そして、計測したデータを鵜呑みにせず、その数字の裏にある本質を思考する。
この「何を成果と見なすか」という問いは、私たちの人生そのものに通底しています。
あなたは、あなた自身の人生において、何を「コンバージョン」と定義しますか。それは、年収や役職といった社会的な指標でしょうか。それとも、家族と過ごす時間や、創造的な活動に没頭する喜びでしょうか。
他人の評価軸ではなく、あなた自身のポートフォリオにとって本当に価値ある目標は何かを定義し、その進捗を確かめていくこと。GA4の設定を通じて、ご自身の人生における「価値の再定義」という、より大きなテーマにも向き合ってみてはいかがでしょうか。




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