-
社長を外して調査しても、その結論を受け取る人が社長しかいない
コンプライアンス委員会の委員長は、社長か担当役員が務めるのが一般的です。トップの関与を示すため、必要な権限を持たせるため。理由は揃っています。 では、通報の対象が委員長本人だった場合はどうするか。 委員長を審議から外せばよい、というのが最... -
通報者の情報を絞るほど、会社は処分の理由を説明できなくなる
内部通報を受けたら、通報者の情報は最小限の範囲でしか共有しない。範囲外共有は禁止されているし、従事者には刑事罰付きの守秘義務があります。だから絞る。ここまでは、多くの組織で徹底されつつあります。 2026年12月1日、改正公益通報者保護法が施行... -
通報の話を誰にしてよいかで迷うのは、線を引く場所が違うからである
内部通報を受けて、調査を始めることになった。関係者に話を聞く必要がある。ただ、どこまで話してよいのかが分からない。 被通報者の上司には、事情を説明しないと調査が進まない。人事にも、処分を検討するなら伝えることになる。自分の上司には、報告義... -
内部通報が来ない会社は、不正がないのではなく、不正が見えていない
内部通報の窓口を設置した。規程も作った。研修もやった。それから1年が経ち、通報は1件も来ていない。 健全な証拠だと考えるべきなのか、それとも制度が使われていないだけなのか。判断がつかないまま、年度の報告書には受付件数0件と書く。 書きながら、... -
コンプライアンス委員が負う義務は、会社の規模では減らない
コンプライアンス委員に任命された。規程は渡された。研修も受けた。それでも、自分が何を負っているのかが分からない。 会社の人数を数えると、公益通報者保護法の義務対象からは外れていました。義務がない会社の委員なのだから、自分も特に何かを負うわ... -
Facebook広告の出稿に必要な準備と、代理店に権限を渡すときの注意点
Facebook広告を始めるとき、最初に手間取るのは広告の中身ではありません。アカウントの構造です。 ページ、ビジネスポートフォリオ、広告アカウント、ピクセル。似た名前のものが並び、どれを誰が作るべきかが分かりにくくなっています。代理店に依頼する... -
仕事の成果が返ってこないのは、返さないことで成り立っている組織にいるからである
締め切りを守り、資料を仕上げ、会議で説明し、指摘を受けて直す。それを何年も続けているのに、自分が何かを動かした感覚がない。忙しさだけが積み上がって、残っているものが分からない。 なぜ手応えがないのか。世の中に流通している答えは、だいたい決... -
なぜ人は推しを必要とするのか。推し活が広がった経緯と、いま起きていること
「推しは誰?」と聞かれて、すぐに名前が出る人がいます。一方で、少し言葉に詰まる人もいます。前者はそのまま会話が続き、後者はなんとなく話題の外に置かれる。小学校の教室でも、職場の雑談でも、同じことが起きています。 なぜ人は推しを必要とするの... -
高い椅子は本当に得なのか。15年使ったエンボディが1万円で売れた話
20万円の椅子と、3万円の椅子。値段が7倍近く違います。座り心地の差がそこまであるとは思えない。そう感じて購入をためらっている方は、多いのではないでしょうか。 よく言われる答えは、だいたい決まっています。素材がいい、人間工学に基づいている、耐... -
AIに任せて遅くなるのは、待ち時間のせいではなく、判断が途切れるからである
AIに1つ頼みます。返ってくるまで20分かかる。待っているのがもったいないので、もう1つ頼む。さらにもう1つ。しばらくして最初のものが返ってきます。開いて、手が止まる。これは何のために頼んだものだったか。 よく言われる答えは、だいたい3つです。依... -
40年ぶりの円安と28年ぶりの日米協調介入で、いま何が起きているのか
ドル円が160円台に乗ったというニュースが流れ、数日後には155円台という数字が出てくる。介入という言葉を何度も目にする。それなのに、円安が止まったのかどうかがよく分からない。 為替のニュースは、専門用語と数字が同時に飛んでくるので、全体像がつ... -
電子ドラムのシンバルが勝手に鳴るのは故障ではない。センサーは、振動と打撃を区別できない
電子ドラムでタムを叩いた。鳴ったのはシンバルでした。あるいは、シンバルを叩いた瞬間に音が切れる。手は触れていないのに、握って止めたような鳴り方をする。 よく言われる対処は、だいたい2つです。感度を下げること。もうひとつは、クロストーク・キ... -
リスク評価書で問われているのは、リスクの高さではなく、自社の個別具体的な特性である
ひな型をダウンロードした。記載例も手元にある。それなのに、画面の前で手が止まる。 上から順に埋めていくと、思っていたよりずっと早く終わってしまいます。そして埋め終わったあとに、これでよかったのだろうかという感触だけが残る。 世の中に流通し... -
ドラムスティックは、振り比べても選べない。自分の叩き方から決まる
楽器店のスティック売り場で、何本か手に取って振ってみる。5Aと5Bを持ち替えて、どちらがいいか考える。結局、前と同じものを買って帰る。 そういう経験のある方は、多いのではないでしょうか。 スティックの選び方として世の中に流通している答えは、だ... -
副業が続かないのは時間が足りないからではなく、返事を待っている人がいるからである
副業を始めたい。けれど、まとまった時間が取れない。 そう思って何ヶ月も止まっている方は、多いのではないでしょうか。空いている時間はある気がするのに、いざ始めようとすると細切れで、何をやればいいのか分からなくなる。 よく言われる答えは、だい... -
昇進で増えるのは責任ではなく、割り込まれる回数である
昇進の話をもらった。年収も上がる。なのに、素直には喜べない。 引き受けたあとの自分の生活を想像すると、なぜか気が重くなる。そんなふうに感じている方は、少なくないと思います。 よく言われる理由は、だいたい3つです。責任が重くなること。上と下の... -
匿名は隠れるための選択ではなく、実名では書けないことを書くための選択である
仕事で分かったことがある。それを誰かに伝えたら役に立つはずだという感覚もある。 けれど、書けない。会社の名前を背負っているし、扱っているのは社内の話です。そう思って、何も書かないまま何年も過ぎている方は、多いのではないでしょうか。 匿名な... -
報告が来ない期間に失われているのは、情報ではなく選択肢である
外部パートナーからの報告が滞ると、状況が見えないことに不安を感じます。ただ、実際に失われているのは情報ではありません。時間です。遅れそうだと相手が気づいた瞬間から、その情報がこちらに届くまでの間、発注側は動けません。動けない日数の分だけ...


