リアルタイム会話AIの料金は、音声の長さと処理した文字量で決まります。2024年の発表時点の料金で音声の入出力だけを計算すると、1時間あたり約9ドル(1ドル150円で約1,350円)で、最低賃金を上回ります。
しかし、AIを入れれば人件費が下がると期待する人にとって、この結果は意外でしょう。AIの料金は短期間で大きく下がっており、今の金額がそのまま続くとは限りません。この記事では、料金の内訳、人間の時給との比較、料金の動きを順に並べます。
料金は音声の長さと処理量で決まる
リアルタイム会話AIの料金は、音声の入力と出力の長さ、および処理した文字のかたまり(トークン)の量で決まります。会話が長くなるほど、そして処理する内容が増えるほど、請求額は増えます。
OpenAIが2024年にリアルタイムAPIを発表したときの音声の料金は、1分あたり入力が約0.06ドル、出力が約0.24ドルでした。テキストの料金は、100万トークンあたり入力が5ドル、出力が20ドルでした。
1時間の会話は最低賃金を上回る
1時間の会話で、AIが聞く時間が30分、話す時間が30分だとすると、音声の費用は約9ドルです。1ドル150円で換算すると約1,350円になります。
2025年度の地域別最低賃金は、全国加重平均で1,121円です。音声の入出力だけで、すでに最低賃金の時給を上回ります。ここにテキストの処理料金が加わるため、実際の請求額はさらに大きくなります。
通訳や翻訳の専門職の時給とAIの費用を比べた公的な資料は、見つかっていません。専門職との比較は、自社で受ける見積もりで確かめる必要があります。AIには24時間止まらず動かせる利点があるので、費用だけで導入の可否は決まりません。
料金のほかに運用の費用がかかる
運用の費用が、API料金とは別に発生します。利用者の認証、会話記録の保存と管理、セキュリティ対策、応答速度を保つためのサーバーの増強が、その例です。
自社の専門用語に合わせて音声認識の精度を上げる場合は、学習用のデータと開発の人手も必要です。これらの金額は、導入する会社によって大きく変わります。
料金は短期間で下がってきた
リアルタイム会話AIの料金は、すでに大きく下がっています。OpenAIの音声の料金は、2024年の100万トークンあたり入力100ドル・出力200ドルから、現在のgpt-realtimeでは入力32ドル・出力64ドルになりました。
現在の音声の料金は、2024年の発表時点の約3分の1です。1年後に現在の10分の1になるという予測は、確かな資料で確認できませんでした。今後の料金は、各社が公表する価格表で見る必要があります。
導入の判断は自社の会話時間で試算する
導入を判断するときは、自社の1日の会話時間に、最新の価格表の料金を掛けて試算します。その金額に運用の費用を足し、人間が担当した場合の人件費と並べると、費用の差が分かります。
料金は変わり続けるため、試算は数か月ごとにやり直すとよいでしょう。まず自社の1日あたりの会話時間を数え、最新の価格表で費用を計算してみてはいかがでしょうか。





