食べるのも動画を見るのも止められないのはなぜか?刺激を減らす環境の整え方

食べ物や動画を途中でやめられないのは、意志が弱いからではありません。脳の報酬系が、糖質や脂質、新しい情報に強く反応するようにできているからです。

しかし、自然な反応だと分かっても、やめられない夜が続く状況は変わらないのでは、と感じる人もいるでしょう。

この記事では、反応の仕組みを確かめたうえで、味と画面の刺激を減らす食事と環境の作り方を順に並べます。

目次

脳は糖質や脂質、新しい情報に強く反応する

食べ物にも新しい情報にも強く引かれるのは、報酬系が正常に働いている結果です。やめられなかったことは、意志の弱さの証拠になりません。

狩猟採集時代には役に立った仕組み

人類の歴史の大部分を占める狩猟採集の時代には、栄養価の高い食物を見つけることや、周囲の新しい情報を集めることが生存に直結していました。進化心理学では、脳が糖質や脂質、新しい刺激に触れたときにドーパミンという神経伝達物質を出し、その行動を繰り返させる仕組みを、このころに身につけたと説明します。

現代の環境は報酬系を強く刺激する

現代は、安くて味の濃い食品が手に入り、スマートフォンを開けば新しい動画が無限に流れてきます。報酬系の仕組みは変わらないまま、刺激だけが過剰になっています。

食べ物については、Cassidy と Tong が2017年に Frontiers in Endocrinology で報告した総説があります。糖や脂肪の多いおいしい食品は、ドーパミンの大きな反応によって満腹の抑えを上回りうると述べています。根拠の中心はマウスの実験で、人で同じ強さで起きるかは、この総説からは分かりません。

動画については、浙江大学の学生27人を対象にした fMRI の研究があります。好きな短い動画を見ているとき、扁桃体の活動が高まり、自制にかかわる前頭前野の領域の活動が下がっていました。この研究は査読前のプレプリントで、人数も少ないため、結論はまだ確定していません。

仕事で気を使い続けた日の夜に、手軽で強い刺激を求めやすくなるのは、こうした反応が重なるからだと思います。これは研究で確かめられた説明ではなく、書き手の解釈です。

味付けをしない食事で味の刺激を減らす

食事の味付けをやめると、味から来る刺激を減らせます。食事を栄養の補給と割り切り、咀嚼と胃の重みで空腹に対処する方法です。

味付けなしのオートミールで満腹感を得る

主食には、通常タイプのオートミールであるロールドオーツを使います。オートミール30グラムに、全体がちょうど浸かる量の40から50ミリリットルのお湯を加え、1から2分置きます。玄米のような硬い食感になるので、塩などの調味料を加えずに、よく噛んで食べます。

味付けをやめると食欲が落ち着くかどうかは、確かめられていません。試してみて、自分の食欲の変化を見る方法です。

飲み物は白湯を選ぶ

食事中の飲み物は、カフェインの有無で選びます。

飲み物成分食事中に向くか
お茶・コーヒーカフェインを含む覚醒作用があるため、刺激を減らす目的には向きません
白湯カフェインを含まない刺激がないため、目的に合います

白湯を少しずつ飲むと、胃の中でオートミールが膨らみ、少量でも満腹感を得やすくなります。

動画サイトの表示を減らして画面の刺激を抑える

動画サイトは、次の動画へ誘う表示を画面に出し続けるように作られています。その表示を画面から消すと、見続けるきっかけが減ります。

拡張機能で画面を簡素にする

パソコンのブラウザに拡張機能を入れると、動画サイトの次の3つの表示を消せます。

  • 動画の横に出る関連動画
  • 動画が終わったあとに出るサムネイル一覧
  • 他の人の意見が並ぶコメント欄

画面に検索窓と再生中の動画しか表示されなくなるので、おすすめを眺め続けることがなくなり、見たい動画は自分で検索して選ぶことになります。

今夜の間食と画面を、刺激の少ないものに替えてみませんか

食欲や情報への欲求は、人類が進化の中で身につけた機能で、否定する必要はありません。意志の力で抑え込もうとするより、刺激の少ない食事と画面を先に用意するほうが、欲求との付き合い方を変えやすくなります。

今夜は、味付けなしのオートミールと白湯、関連動画を消した画面を試してみてはいかがでしょうか。

  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次