文書の確認を頼んだら返事が返ってきましたが、開いてみて意味が取れませんでした。私が指定した場所には何も書かれておらず、相手が自分で作った要約のほうに、注記の形で入っていました。注記の中身は、私が付けた見出しの名前だけです。リンクをたどった側からは、見出しをそのまま繰り返しているようにしか見えません。
こういうときに流通している答えは、報連相の教え直しです。書き方の型を配る、テンプレートを用意する、指摘して直してもらう。私も最初は同じところにいて、そういうことか、センスないね、と口に出しています。こちらで治さないとダメだな、とも思いました。
この記事にあるのは、相手を直す方法ではありません。送ってもらう形を1か所だけ変える方法と、なぜそこを変えると効くのかという理由です。変えるのは、届く文の先頭の一行だけです。
悪意でも手抜きでもなく、自分の作業順でそのまま書かれていた
相手の側から見ると、書いた順番はおかしくありません。自分が作った要約を手元に開いていて、そこに対応関係を書き足しました。作業としては、それがいちばん手数の少ないやり方です。
抜けていたのは、受け取った側が次に何をするか、という先の部分です。私は指定した場所に並べて読んで、そのまま次の工程へ回すつもりでした。相手の作業順では、その場面が視界に入りません。そこに悪意も手抜きも要りません。ここに気づいた時点で、センスの話をしていたつもりが、手順の話になっていました。
依頼した私の一行にも、「どこに」が抜けていた
もう一段ありました。自分が出した依頼文を読み返すと、こう書いてありました。各コメントを入れていただけますと助かります。
どこに、が書かれていません。何を入れるかは書いてありますが、どこに入れるかは書いていません。相手は、書かれていない部分を自分の作業順で埋めただけでした。
ここまでかいてあげないとダメだね、と自分で言いました。相手を直す話が、そこで送ってもらう形を変える話に変わっています。欠落が両側にあったのなら、片側だけを直しても、次も同じものが届きます。
そのまま送るほうには、手間も責任もかからない
ここから書くのは、この一件から私が読み取ったことで、学説として確かめたものではありません。情報をそのまま転送するのに、手間はほとんどかかりません。読んで、宛先を入れて、送るだけです。責任も動かず、中身の判断をしていないので、その先で外れても自分の判断ではありません。
先頭に一行、こうしてほしい、と書いた瞬間に両方が動きます。何が重要かを選ばないと書けないので、手間が増えます。そして、その判断が外れたときに、書いた人のものになります。
だから、情報だけが届くのは自然なことで、手間も責任もかからないほうが選ばれているだけです。とりあえず情報を送ります、という形で届くのも同じ理由です。センスを疑う前に、どちらに手間と責任がかかるかを見ると、同じ場面の見え方が変わります。
情報だけが届く事情は、3つに分かれる
これも確かめられた分類ではなく、この一件のあとで自分の周りに届いていたものを見直して当てはめたものです。1つ目は、判断する権限がその人の手元に無い場合です。決めていいかどうかを決められないので、そのまま上げるしかありません。この場合、判断を求めても出てきません。出せないからです。
2つ目は、何が重要かを選ぶための材料が、その人の手元に無い場合です。全体の予定や、その先の工程が見えていないと、どれが重要かは決まりません。この場合も、選別を求めると止まります。
3つ目だけが、別の形です。共有すること自体が仕事だと受け取られている場合です。送った時点で役目が終わったことになっているので、受け取った側が次に何をするかは、はじめから範囲の外にあります。
前の2つは、その人の周りがそうさせています。3つ目だけが、その人の受け取り方の側にあり、指摘して効くのもここだけです。前の2つに指摘をすると、できないことを求められた状態になります。
送る前に決めてもらうのは、先頭の一行だけである
やり方は一つで、届く文の先頭に、判断してほしい、確認してほしい、共有のみ、のどれかを必ず書いてもらいます。
共有のみ、を必ず残します。ここを外すと、共有だけで足りる連絡にまで判断を求める形になり、今度は送るほうが止まります。共有には正当な用途があるので、選べるようにしておくところが要です。
効くと思っている理由は、書かれる中身のほうではありません。3つのどれかを選ぶには、送る前に一度だけ、この相手に何をしてほしいのかを考えることになります。考えた結果が一行になるのではなく、一行を埋めるために考えることになります。
ただ、これがどれくらい効くかを、私はまだ測っていません。手元で回してみて、どうしてほしい、と聞き返す回数が減るかどうかを見ているところです。
そして、この一行を求めるなら、こちらから出す依頼文も同じ形にします。何を、どこに、どういう形式で。私の依頼文には、どこに、が抜けていました。片側だけに求めると、続きません。
直すのは相手ではなく、届く形のほうである
なんで、こんなセンスのない情報連携をするんだろうね。同じことを二度、不思議だと言いました。不思議のままにしておくと、次も同じものが届きます。見る場所を相手の側から送るときの形のほうへ移したのは、そこからです。そこのかかり方を変えれば、選ばれるものも変わります。
今週届いた連絡のうち、どうしてほしい、と思ったものを一つ思い出してみてください。その連絡の先頭に一行あったとしたら、そこには何と書かれていたはずでしょうか。返信で一度そこを聞いてみるところから、始めてみてはいかがでしょうか。







