旧裏面のポケモンカードは、3層のスリーブと防湿庫を組み合わせると、こすれ・折れ・紫外線・湿気による傷みを減らせます。
スリーブを2枚重ねれば十分に守れる、と考える人もいるでしょう。しかし、2枚重ねにはスリーブ同士の隙間があり、衝撃にも弱い構造です。
この記事は、カドまるスリーブ、エポック社ハード、フルプロテクトスリーブRの順に、各層の役割、カードの入れ方、費用、湿度の管理を説明します。
2重スリーブは摩擦と折れを防ぎきれない
一般的なインナースリーブとキャラクタースリーブの2重構成では、カードが動く隙間と圧迫への弱さが残ります。旧裏面のカードは紙質がデリケートで、傷みが価格に響きやすいためです。
- 内側:インナースリーブ(64mm幅)
- 外側:キャラクタースリーブやオーバースリーブ(69mm幅前後)
この構成では、内側と外側の幅の差から約5mmの隙間ができます。外側のスリーブの中でカードが少しずつ動き、目に見えない摩擦が続きます。この摩擦が、縁が白く剥げる「白欠け」の一因になる可能性があります。
ビニール素材のスリーブは、重ねても外からの圧迫に弱いままです。落下や圧迫で起きるカードの折れは、この構成では防げません。
3層構成で隙間と折れと紫外線を減らす
働きの違うスリーブ2枚と硬いケース1つを重ねると、こすれ・折れ・紫外線を別々の層で減らせます。各層の製品と役割は次のとおりです。
| 層 | 製品 | 役割 |
|---|---|---|
| 第1層 | R-LINE カドまるスリーブ(64×89mm) | 角を丸くして、次の層へ入れるときの引っかかりを減らす |
| 第2層 | エポック社 カードスリーブ ハード レギュラーサイズ(66×92mm、厚さ0.09mm) | コシのある素材でカードの反りと動きを抑える |
| 第3層 | 河島製作所 フルプロテクトスリーブR(レギュラーサイズ) | 硬質ケースで衝撃を受け、紫外線を減らす |
第1層:角を丸くしたカドまるスリーブ
第1層は、角が丸くカットされたインナースリーブです。直角のスリーブを使うと、2層目へ入れるときに角が引っかかり、カードごと折れ曲がる事故(カド折れ)が起きえます。
カドまるスリーブは角が丸いので、2層目に入れるときに角が引っかかりにくくなります。高額なカードほど、入れるときの折れを減らすことが大切です。
第2層:厚さ0.09mmのエポック社ハード
第2層には、薄いソフトタイプではなく、厚さ0.09mmのハードタイプを選びます。コシのある素材がカードを挟み込み、反りや動きを抑えます。
ハードスリーブが第3層のケースの内側に合うかは、大量に買う前に、ケースとスリーブを1組だけ用意して確かめます。ケースの中でカードのガタつきが少ないほど、こすれも減ります。
第3層:紫外線を減らす硬質ケース、フルプロテクトスリーブR
第3層は、ポリカーボネート製の硬質ケースです。紫外線を減らすことと、衝撃に耐えることの2つが、このケースを使う理由です。
- 紫外線(UV)カット:日光や蛍光灯の紫外線は、インクの色あせの原因になります。メーカーは、このケースが波長190〜370nmの紫外線を99%カットすると発表しています。
- 耐衝撃性:ケースは硬い素材なので、床に落ちたときや上に物が載ったときの力に、ビニールのスリーブより耐えやすくなります。
ケースは透明度が高いので、カードを入れたまま眺められます。
封入は、スリーブの口を互い違いにする
カードを入れる向きを層ごとに逆にすると、スリーブの口が互い違いになります。空気や埃が入る経路が、重なりにくくなります。
- カードを上向きのまま、頭の側からカドまるスリーブの口に入れる(逆入れ)
- カドまるスリーブに入れたカードを、足の側からエポック社ハードの口に入れる(正入れ)
- ハードに入れたカードを、フルプロテクトスリーブRに入れる
保管費は評価額の1.5%という計算になる
評価額の合計が100万円のコレクションで、保管用品に1.5万円かかるなら、費用は評価額の1.5%です。用品代はスリーブ2種とケースの合計で決まるので、枚数が多いほど総額は上がります。
傷や折れで1枚の価値が下がる損失と、保管費を比べて、何枚を3層にするかを決めます。
湿度は防湿庫で40〜50%に保つ
湿気は、スリーブとケースだけでは防げません。防湿庫で湿度を40〜50%程度に保つのが、日本の気候での対策です。この湿度は、カードの保管について国内のコレクター向けサイトが目安に挙げている値です。
カードは紙なので、空気中の水分を吸って膨らみ、乾燥して縮みます。この繰り返しが反りや変形の原因になります。
防湿庫は、カメラ機材用のドライボックスで足ります。3層構成と合わせて、傷・折れ・日焼け・湿気を一通り押さえられます。
まず特に大切な1枚から3層の入れ方を試してみてはどうか
この記事の保管方法を、順に並べると次のようになります。
- カドまるスリーブで、次のスリーブに入れるときの折れを防ぐ
- ハードスリーブでカードの動きと摩擦を抑える
- フルプロテクトスリーブで衝撃と紫外線を減らす
- 防湿庫で湿度を一定に保つ
10年後、20年後もカードの状態を保つために、まず手元の特に大切な1枚から、この保管方法を試してみてはいかがでしょうか。