スカウトの送信を自動化するサービスは、もう何十とあります。1通10円から、月2万円から。どれも工数を何割削減できるかを書いていて、削減した工数は、そのまま外注費の話になります。
ただ、削減できる金額の大きい作業から渡していくと、送る相手を決める作業まで渡すことになります。いちばん人手がかかるのが、いちばん判断の入る作業だからです。
削減できる金額のかわりに、送れる数で並べ替えます。並べ替えると、先に渡す作業が変わります。
スカウトの自動化は、ツールを買わなくてもできる
サービスを買わなくても、いま使っている採用サービスの画面をAIエージェントに操作させれば送れます。
スカウト1通あたりの作業は5つに分かれます。検索軸で候補を絞る。プロフィールを開く。すでに送った相手かどうかを見る。文面を貼る。送信する。このうち人が判断しているのは、送るかどうかの1つだけです。
だから作業は2つに割れます。プロフィールを読んで送る相手を決めるところまでが前半、画面に入れて送るところが後半です。後半には判断が1つも入りません。
手で送っている限り、送れる数に上限がある
後半を渡してしまうと、まず変わるのは送れる数です。
ダイレクトリクルーティングの平均返信率は2〜10%と言われます(人材アセスメントラボ編集部調べ、2025年10月1日時点)。100通送って、返ってくるのは2人から10人です。
手で送っている限り、同じ期間に送れるのは、人が画面を開ける回数までです。1日に30通開ければ、月に600通が上限になります。会える人数は、その上限の数%で決まります。母集団の質を上げても、この上限は動きません。
送った数が少ないと、文面を直す材料が集まらない
送れる数が変わると、もう1つ変わるものがあります。文面を直していく速さです。
自動化をすすめる記事は、たいてい属人化の解消と書きます。担当者が変わっても同じ品質で送れる、という意味です。ただ、同じ品質で送れることと、品質が上がっていくことは別の話です。
1人ずつ違う一文を入れるなら、どういう書き方だと返ってくるのかを知らなければいけません。分かるのは、返信が返ってきたときだけです。月に50通しか送らないと、1年で600通です。そのうち返ってくるのは数十人で、書き方の違いを比べるには足りません。
外注費で計算すると、どこから自動化するかを間違える
送れる数と、文面を直す速さ。この2つで数えると、先に渡す作業が変わります。
外注費で数えると、いちばん人手のかかっている作業から自動化することになります。新卒のスカウトなら、そこはプロフィールを読む作業です。ところが、送る相手を決めているのも同じ作業です。先に渡すと、判断ごと渡すことになります。
送れる数で数えると、先に渡すのは後半の入力です。判断は手元に残ったまま、送れる数だけが増えます。減る外注費は後半のぶんだけなので、金額としては小さくなります。
送る相手を人が決めるなら、承認の画面が要る
前半を手元に残すと決めた以上、送る前に人が見る画面が必要になります。
全員に同じ文面を送るなら、その画面に出すのは送り先の一覧だけで足ります。1人ずつ違う一文を入れるなら、その一文が相手のプロフィールと合っているかを見ることになります。読み違えたまま送っても、送信後には取り消せません。
だから画面には、拾った根拠と、書いた一文を並べます。根拠というのは、プロフィールに書いてあった文そのものです。承認する人は2つがずれていないかだけを見れば済んで、文面の良し悪しは決めなくて構いません。
渡せるのは、後半の入力と、文面の下書きまでです。送る相手を決めるところと、根拠と文面がずれていないかを見るところは、人に残ります。
スカウトの自動化を検討しているなら、どの作業を渡すと送れる数が増えるかで、手をつける順番を並べ替えてみてはいかがでしょうか。



