AIの進化は、またギアが一つ高まったように思います。チャットAIはアシスタント1人、AIエージェントは5人の課です。この先、AIの組織は課から部、事業部、会社へと大きくなり、AIを使う人の立場も、担当者から課長、部長、事業部長、経営者のように変わっていくと私は予想しています。
チャットAIに慣れたと思ったら、もうAIエージェントの話が出てきました。AIの進化についていけない。どんどん振り落とされているように思います。この先、AIはどうなるのでしょうか。
チャットAIはアシスタント1人、AIエージェントは5人の課
チャットAIは、聞けば答えてくれるアシスタントが1人いる感じです。作業を進めるのは人で、AIは横で手伝います。AIエージェントでは、AIが自分で作業を進めます。私の場合、常に5人ぐらいのAIが仕事をしてくれている感じがします。AIエージェントになって、アシスタント1人が5人の課に変わりました。


チャットAIは、2022年11月にChatGPTが公開されてから広がりました。AIエージェントでは、AnthropicのClaude Codeが2025年5月に一般提供になり、2026年2月には複数のAIをチームとして動かす機能が加わりました。違いを表にまとめます。
| 比べる点 | チャットAI | AIエージェント |
|---|---|---|
| 例え | アシスタント1人 | 5人の課 |
| 誰が作業するか | 人 | AI |
| 人がすること | 1回ずつ聞いて、答えを使う | 仕事を渡して、結果を確かめる |
Anthropicは、Claude Codeで複数のAIをチームとして動かす機能の説明で、まず3〜5つのAIで始めるよう書いています。チームでは1つのAIがリーダーになり、仕事を割り振って結果をまとめます。
AIがやり遂げられる作業の長さは、約7か月ごとに2倍になっている
この先を予想するために、AIの能力がどれだけの速さで上がっているかを見ます。研究団体のMETRは、人間なら何分かかる作業を、AIが半分の確率でやり遂げられるかを、研究とソフトウェア開発の作業で測っています。その長さは、2019年から2025年で約7か月ごとに2倍になっています。2024年以降に限ると、約89日ごとに2倍です。METRの測定(Time Horizon 1.1)では、Claude Opus 4は101分、Claude Opus 4.5は320分でした。
次の段階では、AIの課が5つ集まって部になり、AIを使う人は部長の立場になる
1つ目の段階では、2027年1月ごろに、AIの課が部になると予想します。今のClaude Codeのチーム機能では、チームのメンバーがさらに自分のチームを作ることはできません。そしてAnthropicは2026年5月、リーダーのAIが仕事を分けて専門のAIに渡す仕組みを、企業向けのClaude Managed Agentsに加えました。人間の組織でいえば、部長が5人の課長に指示を出し、課長がそれぞれの課を動かす形です。人が直接やりとりする相手は5つの課長役のAIのままで、その下で動くメンバーAIの数が増えます。

その次は、AIの部が集まって事業部になり、AIを使う人は事業部長の立場で結果を見る
2つ目の段階では、2027年6月ごろに、AIに任せる仕事が長くなり、AIの組織は事業部になると予想します。AIがやり遂げられる作業の長さが約7か月ごとに2倍になる伸び方が続けば、人間なら何日もかかる仕事も、AIがやり遂げられるようになるはずです。
調査会社のGartnerは2026年4月の発表で、2028年までに半数を超える企業が、コパイロットのような補助型のAIへの支払いをやめると予測しました。企業は仕事の結果まで受け持つ仕組みに移り、人はAIを監督する側に回るとしています。人間の組織でいえば、事業部長は、上がってきた結果を見る立場です。AIを使う人がすることも、それと同じになると予想します。

さらにその次は、1人が会社1つ分の仕事をAIに任せ、経営者として何をやるかを決める
3つ目の段階では、2028年12月ごろに、1人の人が、会社1つ分ほどの範囲の仕事をAIの組織に任せられるようになると予想します。人間の組織でいえば、経営者が決めるのは、何を作るか、どこにお金をかけるか、何をやめるかです。AIの組織がどれだけ大きくなっても、最後まで人に残るのは、何をやるかを決めることだと思います。

これまでに起きたことと、ここからの予想を、人間の組織に置き換えて表にまとめます。
| 段階 | 時期 | AIの組織 | 全体の人数 | 人の立場 | 人がすること |
|---|---|---|---|---|---|
| チャットAI | 2022年11月〜 | アシスタント1人 | 2人(人1人+AI1人) | 担当者 | 1回ずつ聞いて、答えを使う |
| AIエージェント(今) | 2026年2月〜 | 5人の課 | 6人(人1人+AI5人) | 課長 | 仕事を渡して、結果を確かめる |
| 次の段階 | 2027年1月ごろ(予想) | 5つの課が集まった部 | 31人(人1人+AI30人) | 部長 | 課長役のAI5つに指示を出す |
| その次 | 2027年6月ごろ(予想) | 部が集まった事業部 | 156人(人1人+AI155人) | 事業部長 | 上がってきた結果を見る |
| さらにその次 | 2028年12月ごろ(予想) | 会社1つ分の仕事を受け持つ組織 | 781人(人1人+AI780人) | 経営者 | 何をやるかを決める |
段階が変わるたびに、人がすることも変わる
私も、時代の変化についていけないのではとビビったことがあります。Claude Codeでは、AIが1つで動く形の一般提供(2025年5月)から、5人の課にあたるチーム機能(2026年2月)まで、約9か月でした。この速さなら、5人の課に慣れたころには、もう部が来ているはずです。段階が変わるたびに、AIを使う人の立場は、担当者から課長、部長、事業部長、経営者のように変わっていくと私は予想しています。
いまあなたの横にいるのはアシスタント1人でしょうか。それとも、5人の課でしょうか。







