知り合い自慢をする人の心理として、よく挙げられるのは3つです。自信がない。劣等感の裏返し。虎の威を借る狐。
しかし、聞いている側は、話し手の中を見ていません。見ているのは、口に出された一言だけです。
口に出された一言のどこが恥ずかしく見えるのかを、順に並べます。
心理の説明は、どれも話し手の中の話である
心理の説明はたくさんあり、アドラー心理学を引いて、優越コンプレックスは劣等感の裏返しだと説明するものもあります。どれも間違ってはいません。
ただ、どれも話し手の中の話です。聞いている側は、話し手の中を見ていません。だから、心理が分かっても、なぜ恥ずかしく見えるのかは決まりません。決まるのは、口に出された一言の形で、3つあります。
関係を宣言する言い方が、先に来ている
1つ目として、近い相手の話は、関係を宣言する形では出てきません。何をした、何を言っていた、という中身が先に出ます。
「◯◯と俺は友人だ」が先に来るのは、出せる中身が無いときです。聞いている側は、中身が続くかどうかを待っています。続かなければ、宣言だけが残ります。
宣言は片側からしかできない
2つ目として、宣言した時点で、相手が同じことを言うかどうかは、その場では確かめられません。
聞いている側は、あの人は本当にそう言うだろうかと考えます。話している側は考えていません。恥ずかしく見えるのは、聞き手だけが考えている状態になったときです。
相手の名前が大きいときだけ、恥ずかしくなる
3つ目として、名前を入れ替えると分かります。相手が知られていない人なら、「◯◯と俺は友人だ」と言っても恥ずかしくなりません。
恥ずかしさが出るのは、相手の名前が大きいときだけです。恥ずかしさが名前の大きさに比例するなら、使われているのは相手の名前です。言っているのは、どれくらい知られている人と友人か、です。
名前を借りている側には、呼び名が無い
名前を借りている、と書きましたが、借りている側を指す言葉はありません。
似た形の言葉なら、妻にはトロフィーワイフがあります。英語の trophy wife で、夫のステータスシンボルと見なされる妻を指し、軽蔑を含んで使われます。友人にも trophy friend という言い方があり、こちらも飾られる側を指します。日本語の虎の威を借る狐は借りる側を言いますが、姿を言っているだけで、呼び名にはなっていません。
誰でも少しはやっていることなので、やっている人だけを分ける名前になりません。名前が無いのに恥ずかしさだけが残るのは、分ける名前が要らないからです。
よくある疑問
Q:友人の達成を誇りに思って話すのも、知り合い自慢になりますか。
A:形が違います。相手が落ちても関係が残るなら、名前を使っていません。判定は1つで、相手が知られていない人だったとしても同じ話をするか、です。
Q:自分がやっていないか、どうすれば分かりますか。
A:関係を宣言する言い方を先にしたかどうかで分かります。「◯◯と俺は友人だ」と先に言ったか、相手が何をしたかを先に言ったか。順番だけで分かります。
見るのは、一言の順番である
心理は聞いている側からは見えず、見えるのは順番だけです。3つとも、口に出された一言の中にありました。
自分が誰かの話をするとき、その人の名前を先に出しているか、その人が何をしたかを先に出しているか、一度だけ見てみてはいかがでしょうか。







