ネガティブなコメントを何度も書く人と、一度だけ書く人では、書く理由が違います。何度も書く人の中には、人を攻撃すること自体を楽しんでいる人がいます。一度だけ書く人の多くは、その日に気分が悪かったか、直前に荒れたコメントを読んでいたことが影響しています。
しかし、相手の心の中は外からは見えません。「劣等感がある」「承認されたい」といった説明はよく見かけますが、目の前の一件に当てはまるかは確かめようがありません。この記事では、確かめられる手がかりとして、同じ人が繰り返し書いているかどうかを使います。
何度も書く人の中には、攻撃を楽しんでいる人がいる
ネット上で人を攻撃する書き込みと、性格の関係を調べた研究があります。攻撃的な書き込みと最も強く結び付いていたのは、人が困るのを見て楽しむ性格でした。
ただ、同じ研究で「ネット上でいちばん楽しいのは人を攻撃すること」と答えた人は5.6%でした(Buckels ら、2014年)。楽しんで攻撃する人は実際にいますが、少数です。楽しんで書いている人には、何を返しても書くのをやめないと思います。
一度だけ書く人は、その日の気分と直前に読んだものに左右されている
普通の人も、条件がそろうと攻撃的なコメントを書きます。気分が悪いときと、直前に他人の荒れたコメントを読んだときに、攻撃的なコメントを書きやすくなります。
2017年の実験(Cheng ら)では、気分が悪く、直前に荒れたコメントを読んだ人たちの68%が攻撃的なコメントを書きました。気分がよく、直前に穏やかなコメントを読んだ人たちでは35%で、およそ2倍の差でした。同じ研究は、その人が過去に攻撃的なコメントを書いていたかより、書いたときの気分と議論の流れのほうが、書くかどうかをよく予測したとも報告しています。
ほかにも、怒りや恥ずかしさ、周りからの評価が理由になる場合がある
攻撃的なコメントの理由には、ほかにも研究で示されたものがあります。どれも、書いた人の側の事情です。
- 思いどおりにいかない不満が強いほど、人は攻撃的になりやすい(Berkowitz、1989年)。職場で言えなかった不満が、知らない人へのコメントになることもあると思います
- 「自分はだめだ」と恥ずかしく感じやすい人ほど、怒ったときに他人を責めやすい(Tangney ら、1992年)
- 自分が被害を受けていなくても、人前で誰かを罰すると、見ている人から信頼されやすい(Jordan ら、2016年)。公開のコメント欄で非難するのも、周りに正しさを示したい気持ちが混ざっている場合があると思います
見分けるには、同じ人が繰り返し書いているかを見る
コメントを書いた人がどの理由に当たるかは、本人に聞かない限り分かりません。外から確かめられるのは、その人が同じような非難を繰り返し書いているかどうかです。
| 書いた人の様子 | 考えられる理由 | 受け取った側の対応 |
|---|---|---|
| 同じような非難を繰り返し書いている | 攻撃を楽しんでいる可能性がある | 返さずに距離を取る |
| 非難は一度だけ | その日の気分や、直前に読んだものの影響が大きい | 返さずに置いておく。書いた人の気分はすでに変わっている可能性が高い |
どちらの場合も、返さないという対応は同じです。ただ、一度だけの非難なら、受け取った側の何かが原因で書かれたとは限らないと分かるだけで、気持ちは少し楽になると思います。
コメント欄に並ぶのは書いた人の声だけで、読んだだけの人の考えは画面に出ません。Buckels らの調査では、そもそもコメントを投稿しないと答えた人が41.3%いました。
自分が書く側に回らないためには、気分が悪い日に荒れたコメント欄を開かない
気分が悪いことと、荒れたコメントを読むことの2つがそろうと、自分も攻撃的なコメントを書きやすくなります。2つがそろった日に書いたコメントは、あとで読み返して後悔することになりやすいと思います。気分は選べなくても、その日に開くコメント欄は選べます。
次に自分に向けた非難を見かけたら、書いた人が同じことを繰り返しているかどうかを、一度確かめてみてはいかがでしょうか。







