残りの容量が2桁GBを切ると、Macは急に落ち着かない場所になります。ストレージの画面を開いて内訳を見ると、見覚えのない項目が上位に並んでいます。iOSファイル、22.46GB。心当たりがないのに、いちばん大きい。
消し方を調べれば、答えはだいたい揃っています。ストレージ設定から選んで削除する。Finderでパスを開いて、フォルダごとゴミ箱に入れる。iPhoneを繋いでバックアップを管理する。どれも正しい手順です。
問題は、そのとおりに操作しても画面が出てこないことです。案内された項目が見当たらない。貼り付けたパスでフォルダが開かない。サイドバーにiPhoneが出ない。この記事が扱うのは、その先です。手順の順番ではなく、いま自分の画面が何の状態になっているかを、開けて中を見ながら確かめていきます。
iOSファイルには、バックアップとアップデートファイルの2種類が入っている
ストレージ画面の「iOSファイル」は、ひとつの種類のファイルを指しているわけではありません。中には、性格の違うものが2つ入っています。
ひとつは、iPhoneやiPadをMacに繋いで取ったバックアップです。ケーブルで同期したときに作られ、機種変更のたびに新しいものが積み上がります。1台分で数十GBになることも珍しくありません。
もうひとつは、iOSのアップデートファイルです。拡張子は .ipsw で、iPhoneのシステムを更新したり復元したりするときにMacがダウンロードします。1本あたり数GBあり、使い終わったあとも残り続けます。
この2つは、保存されている場所が違います。だから片方を探しに行って見つからなかったとき、もう片方が犯人だという可能性が残ります。ここを分けずに「iOSファイル」とだけ考えていると、探す場所を間違えたまま止まってしまいます。
iCloudにバックアップがあるなら、Mac側のバックアップは消してよい
削除の前に、消してよいかどうかを決めます。判断の材料はひとつだけです。iPhoneのバックアップがiCloud側に取れているなら、Mac側のバックアップは役目を終えています。
確認はiPhoneでできます。設定アプリを開き、いちばん上にあるApple IDの欄をタップします。iCloudへ進んでiCloudバックアップの項目を開くと、オンとオフのスイッチが出ます。緑になっていれば、バックアップはiCloudにあります。
Macからも見られます。システム設定でApple IDを開き、iCloudへ進んで、ストレージの横にある管理をクリックします。バックアップの項目に自分のiPhoneの名前が並んでいれば、同じことが確認できています。
逆に、iCloudバックアップをオフにしていて、Mac側のバックアップしか持っていない場合は、消す前に外付けドライブへ移してください。Backupフォルダごとコピーすれば残せます。
削除の入口は、macOS Venturaで場所が変わった
ストレージ設定から消す方法が、いちばん素直です。ただし、この入口は途中で移動しています。
以前のmacOSでは、Appleメニューから「このMacについて」を開き、ストレージのタブをクリックして、管理のボタンを押していました。この画面は2022年10月のmacOS Venturaで廃止されています。現行のmacOS Tahoe 26にも、当然ありません。
いまの場所は、Appleメニューからシステム設定を開き、一般へ進んで、ストレージです。ここに内訳が並びます。iOSファイルの行の右側にあるアイコンをクリックすると、個別のファイルが一覧で出るので、日付とサイズを見て、いらないものを選んで削除します。
案内どおりに操作したのに項目が見つからない、という詰まり方をしたなら、多くはここが原因です。手順が間違っていたのではありません。その手順が書かれた時点の画面が、もう手元にないというだけです。
フォルダが開けないのは、パスの打ち間違いとは限らない
ストレージ設定から消えないときは、フォルダを直接開きます。Finderで Shift + Command + G を押すと、フォルダへ移動の入力欄が出ます。ここに次のパスを入れます。
~/Library/Application Support/MobileSync/Backup/
入れても開かないことがあります。最初に疑われるのは入力ミスで、実際に多いのは先頭のチルダです。全角で入っていると通りません。Application と Support のあいだの空白も、半角である必要があります。
ただし、打ち間違いを直しても開かない場合があります。そのときは、パスの末尾を削って一段上を開いてください。
~/Library/Application Support/MobileSync/
ここまでなら、ほぼ確実に開きます。開いたうえで、中にBackupがあるかどうかを見る。これが原因を切り分ける一番早い方法です。パスの文字を睨んで直し続けるより、開けるところまで戻って中を見たほうが、結果的に早く進みます。
入力そのものを避ける方法もあります。ターミナルを開いて次の1行を実行すると、Finderが同じ場所を開きます。
open ~/Library/Application\ Support/MobileSync/
貼り付けの失敗が起きないので、パスで詰まった人にはこちらのほうが確実です。
Backupフォルダが空なら、容量を食っているのはバックアップではない
MobileSyncを開いた時点で、判定がひとつ済みます。
中にBackupフォルダがあり、日付のついたフォルダが並んでいるなら、これがiOSファイルの正体です。古い日付のものからゴミ箱へ移してください。移したあとにゴミ箱を空にするまで、容量は戻りません。
中が空だった場合、あるいはBackupフォルダ自体が無い場合、22GBの正体はバックアップではありません。残る候補は、iOSのアップデートファイルのほうです。
ここからは断定を避けます。このファイルの置き場所は、macOSとiTunesやFinderの世代によって変わってきました。古くから使われてきたのは ~/Library/iTunes/iPhone Software Updates/ ですが、現行のmacOSでこの場所に必ずあると確認できたわけではありません。別の場所に置かれる版もあります。
確実なのは、場所を当てにいくのではなく、ファイルのほうを探すことです。Finderの検索窓に .ipsw と入力し、検索範囲を「このMac」に切り替えます。名前で絞れば、数GBのファイルが出てきます。これは削除して問題ありません。必要になれば、Appleのサーバーからもう一度ダウンロードされます。
Q:iOSファイルを削除すると、iPhoneのデータは消えますか。
A:消えません。削除されるのはMacに保存されたバックアップの複製であって、iPhone本体のデータではありません。ただし、そのバックアップからしか取り出せないデータがある場合は別です。iCloudバックアップがオンになっているかを、先に確認してください。
デバイスを繋いで消す方法は、サイドバーに出ないところで止まる
バックアップを日付とサイズで見比べてから消したいなら、iPhoneを繋ぐ方法があります。ただしこの方法は、最初の一歩で止まりやすいところがあります。
手順はこうです。iPhoneをUSBケーブルでMacに繋ぎます。iPhone側に「このコンピュータを信頼しますか」と出たら信頼をタップし、パスコードを入れます。Finderを開くと、左のサイドバーの「場所」の下にiPhoneの名前が出ます。それをクリックすると上部にタブが並ぶので、一般のタブを開き、バックアップの欄にある「バックアップを管理」をクリックします。一覧が出たら、いらないものを選んで削除します。
止まるのは、サイドバーにiPhoneが出てこない場面です。理由は2つあります。
ひとつは、そもそも繋がっていないことです。この方法はケーブル接続が前提なので、繋いでいない状態では一覧を見られません。
もうひとつは、Finderの表示設定です。メニューバーのFinderから設定を開き、サイドバーのタブを見てください。「CD、DVD、iOSデバイス」のチェックが外れていると、繋いでも表示されません。ここを入れれば出ます。
ケーブルが手元にないなら、この方法は飛ばしてかまいません。前の章のフォルダを直接開く方法で、同じものが消せます。
写真は、ライブラリの実サイズを測ってから手をつける
写真の側も、順番は同じです。手を動かす前に、実際のサイズを見ます。
ストレージ画面で、写真が「計算中」のまま止まっていることがあります。この表示のままでは判断できないので、ライブラリ本体を直接見てください。場所は ~/ピクチャ/写真ライブラリ.photoslibrary です。Finderで右クリックして情報を見るを選ぶと、サイズが出ます。
測ってから、対処を決めます。iCloud写真を使っていて、iCloud+の容量に余裕があるなら、写真アプリの設定からiCloudの項目を開き、Macのストレージを最適化にチェックを入れます。オリジナルはiCloudに残り、Mac側は軽い版に置き換わります。
iCloudを使っていないなら、ライブラリごと外付けSSDへ移す方法があります。写真アプリを終了し、.photoslibrary を外付けにコピーします。コピーが終わったら、optionキーを押しながら写真アプリを起動してください。どのライブラリを使うか聞かれるので、移した先を指定します。
移す前に、写真アプリの中の「最近削除した項目」を空にしてください。ここには30日分が残っています。削除したつもりの写真がそのまま容量を占めているので、空にするだけで数GB戻ることがあります。
どこまで戻るかを、先に見積もっておく
作業に入る前に、どれが何GB戻るのかを並べておくと、途中で迷わなくて済みます。
いちばん大きいのはiOSファイルです。バックアップにせよアップデートファイルにせよ、ここは丸ごと戻ります。次が写真の「最近削除した項目」で、こちらは数GB単位です。この2つだけで、多くの場合は危険域を抜けられます。
それでも足りないときは、システムデータを見ます。ここも「計算中」のまま実サイズが出ないことが多く、実際には数十GB溜まっているケースがあります。内訳を目で追うのは難しいので、ディスクの中身を面積で表示するツールを使うと、大きいものから順に見えます。開発ツールのキャッシュ、コンテナ、画像編集ソフトの一時ファイルあたりが上位に来ます。
ここまでの手順に共通しているのは、ひとつだけです。消す前に開けて、中を見る。案内された画面が出てこないときも、パスが通らないときも、判断の材料はいつも自分の画面の中にあります。
まずはMobileSyncのフォルダを開いて、中にBackupがあるかどうかだけ確かめてみてはいかがでしょうか。そこで、次に探すべき場所が決まります。

