40年前の書類に出てくる金額を読みました。いまの感覚では安すぎるのですが、当時はその金額で通っていたようです。それで、2026年のいまから2051年までの25年間で、物価と初任給がどこまで動くのかを計算しました。
物価が上がるのに給料が追いつかない、という話への答えとして、よく挙がるのは固定費の見直しと積み立てです。どちらも先にやったほうがいい対処だと思います。
この記事で書くのは、2051年までの25年間で、物価と初任給の数字がどこまで動くかです。先に結論を書くと、2051年の初任給がいくらになるかは決められませんでした。決められたのは、いまと同じ生活を保つのに初任給がいくら要るか、という額です。
2025年の大卒初任給は、男で26万4,900円
2025年の大学卒の初任給は、男が26万4,900円、女が25万9,700円で、男女計は26万2,300円でした。前の年に比べて、男女計で5.6パーセント増えています。厚生労働省の賃金構造基本統計調査の数字です。
以下は男の額で通します。上がり方を計算できる系列が男と女に分かれていて、男女計は2025年の1年分しか手元にないためです。
2006年から2020年までの14年、初任給は年0.5パーセントしか動かなかった
次は、26万4,900円になるまでの動き方を見ます。2006年の大卒初任給は21万1,900円で、2020年は22万7,200円でした。14年で1万5,300円です。年あたりに直すと0.5パーセントになります。
2006年から2020年までの14年、初任給はほとんど動いていません。2013年には20万6,400円まで下がっていて、2006年の21万1,900円を割っています。
2021年から2025年まで、初任給は年4.0パーセントで上がった
2020年までの14年のあとに、切れ目があります。2021年の22万6,700円が、2025年には26万4,900円になりました。4年で3万8,200円です。年あたり4.0パーセントで、2020年までの14年の8倍の速さになります。
初任給の推移を扱う記事の多くは、2006年からの20年を1本の線として書いています。しかし2020年までと2021年からでは、上がり方が別のものになっています。
2021年から2025年の4年で、物価は年2.9パーセント上がった
年4.0パーセントが速いのか遅いのかは、初任給だけを見ても決まりません。2021年から2025年の物価を並べます。消費者物価指数の総合は、2021年が99.8、2022年が102.3、2023年が105.6、2024年が108.5、2025年が111.9でした。2020年を100とした数字で、総務省統計局が出しています。年あたりに直すと2.9パーセントです。
初任給の年4.0パーセントは、物価の年2.9パーセントを上回っています。2021年からの4年に限れば、初任給は物価より速く上がっていました。
年2.9パーセントが2051年まで続くと、物価は2.04倍になる
物価の年2.9パーセントを、2051年まで25年間伸ばします。仮定の計算です。年2.9パーセントが2051年まで続いたとすると、物価は2.04倍になります。日本銀行が目標にしている2パーセントで計算すると1.64倍です。
2.04倍も1.64倍も、そうなると決まっているわけではありません。物価は2020年までの長いあいだ、ほとんど動いていませんでした。物価が動かない期間が、もう一度来ることもあります。
2051年の初任給は54万1千円
物価の倍率が出たので、初任給に当てはめます。いまの26万4,900円と同じ買い物ができる額は、2051年には54万1千円です。日本銀行の2パーセントで計算すると43万5千円になります。
54万1千円は、この記事で決められた数字です。2051年の初任給がいくらになるかは決められませんでしたが、いくらないと、いまと同じ生活にならないかは決められました。
2051年に54万1千円へ届くかは、いまの上がり方が続くかで決まる
2051年に初任給が実際にいくらになるかは、決められませんでした。決まっているのは、いまと同じ生活を保つのに54万1千円が要ることだけです。
2021年からの年4.0パーセントが2051年まで続けば、初任給は54万1千円を超えます。2020年までの年0.5パーセントに戻れば、54万1千円には届きません。
自分が働く会社の初任給は、2021年からの4年でいくら上がったでしょうか。年4.0パーセントで上がっているのか、年0.5パーセントで止まっているのか。2051年に54万1千円へ届くかどうかは、その4年の上がり方で決まります。





