周りをコントロールしようとする人は、職場にも家族にもいます。頼まれてもいないのに、自分が正しいからと、周りの人の動き方や暮らし方まで決めようとする人です。
その人の判断は、これまで周りに反対されずに通ってきました。「自分が正しい」が通る環境にいる人は、なぜ周りをコントロールしようとするのでしょうか?
周りの人が自分に従ってきたのは、自分が正しいからだと受け取っている
「自分が正しい」が通る環境にいる人は、周りの人が自分に従ってきたのは、自分が正しいからだと受け取っています。会社で人が従うのは、結局は給料と立場という金の契約があるからです。上の立場にいる本人が部下との関係を契約だと思っていなくても、部下の側には、給料と立場を守るために従うという理由があります。
上の立場にいる人は、自分の指示が部下に通ることを当たり前だと感じるようになります。指示が通るたびに、自分の判断が正しかったという手応えが積み重なります。その手応えには、部下が契約のために従っていた分が含まれています。本人はその分を見分けられないので、契約がなくても人は自分についてくると思い込みます。
指示が通る立場にいる人は、自分視点が強くなりすぎる
指示が通る立場にいる人は、自分が周りの人からどう見えているかを考えなくなります。米国の心理学者ガリンスキーらの2006年の実験では、人を動かす力を持った場面を思い出した人は、他人がどう見て、どう考え、どう感じているかを理解しようとする傾向が下がっていました(Psychological Science 17巻12号)。
周りの人が本人の判断に反対しないと、本人には、反対されないことが自分が正しい証拠に見えます。こうして自分視点が強くなりすぎ、周りの人が困っていても、本人にはその様子が見えなくなります。
会社で通ってきたやり方を、給料も上下関係もない家族にまで持ち込む
「自分が正しい」が通る環境にいる人は、会社で通ってきたやり方を、家族にも持ち込みます。家族とのあいだには、給料の支払いも、会社での上下関係もありません。本来は、家族に言うことを聞かせる手段はないはずです。
頼まれていないのに、お金を出して家族の住む場所や暮らし方を決めようとするのは、家族とのあいだにも、会社と同じ金の契約の関係を作ることです。家族の側から頼まれたのであれば、話は別です。
旅先の歓迎を自分への好意だと受け取るのも、会社での取り違えと同じである
旅先で宿や店の人が温かく迎えてくれるのは、お金を払ったお客様への対応です。お客様だから暖かく接してくれるのは、当たり前のことです。お金で生まれた温かさを自分への好意だと受け取るのは、会社で部下が従うのを自分が正しいからだと受け取るのと、同じ取り違えです。私が旅行を好きになれないのは、このためです。
よくある疑問
Q:コントロールしたがる人の心理は、どう説明できるのでしょうか?
A:周りの人が従ってきたのは金の契約があったからなのに、自分が正しいから従ってきたと受け取っている、と説明できます。その受け取り方のまま、契約のない家族にまで同じやり方を持ち込みます。
「自分が正しい」が通ってきたのは、金の契約がある環境だった
周りをコントロールしようとする人の「自分が正しい」は、金の契約で従ってくれる人がいる環境で通ってきました。その環境で身についたやり方を、契約のない家族にまで持ち込んでいます。







