ClaudeにはGoogle Chatのコネクタが用意されていません。用意されているのはGmail、Googleカレンダー、Googleドライブで、Chatは入っていません。だから繋げないと思っている方が多いのではないでしょうか。
実は、Googleが公式のMCPサーバーを出しています。カスタムコネクタとして繋げます。設定の手順はたった5つです。
- Google Chat APIを有効にする
- Google Chat MCP APIを有効にする
- OAuth同意画面とスコープを設定する
- Claudeにカスタムコネクタを追加する
- Google Workspace Developer Preview Programに登録する
ただ、公式ドキュメントの前提条件の欄に、5つ目の登録は載っていません。私はこの登録を知らないまま、最後まで通してしまいました。
順に書きます。
Google Cloudで、APIを2つ有効にする
はじめに、Google Cloudプロジェクトを1つ用意します。すでにGoogle Workspaceを使っていれば、新しく契約するものはありません。
そのプロジェクトで、APIを2つ有効にします。Google Chat APIと、Google Chat MCP APIです。Google Cloudコンソールの上にある検索窓にそれぞれの名前を入れて、出てきたページで有効にするを押します。
名前が似ていますが、この2つは別のものです。Google Chat APIだけを有効にして先へ進むと、あとで繋がりません。MCPのほうを有効にしたか、もう一度確かめてください。
OAuth同意画面を作り、スコープを貼る
APIが有効になったら、Google Cloudコンソールで Google Auth Platform のブランディングを開きます。まだ何も作っていなければ、Google Auth Platform はまだ構成されていませんというメッセージが出るので、使ってみるを押します。
アプリ情報のアプリ名に、分かる名前を入れます。公式のドキュメントは Chat MCP Server という名前を例に挙げています。ユーザーサポートメールに自分のメールアドレスを選んで、次へ。
対象では内部を選びます。内部は、同じGoogle Workspaceの組織の中だけで使う、という意味です。選べない場合は外部を選びます。外部にしたときは、あとで対象の画面を開いて、テストユーザーに自分のメールアドレスを追加してください。追加しないと、認証の途中で止まります。
連絡先情報にメールアドレスを入れます。最後に、Google APIサービスのユーザーデータに関するポリシーへの同意にチェックを入れて、作成を押します。
次に、データアクセスを開いて、スコープを追加または削除をクリックします。パネルの下のほうにスコープの手動追加という欄があります。そこに次の5つを貼ります。
- https://www.googleapis.com/auth/chat.spaces.readonly
- https://www.googleapis.com/auth/chat.memberships.readonly
- https://www.googleapis.com/auth/chat.messages.readonly
- https://www.googleapis.com/auth/chat.users.readstate.readonly
- https://www.googleapis.com/auth/chat.messages.create
貼ったらテーブルに追加を押し、更新を押し、最後にデータアクセスの画面で保存を押します。
最後の chat.messages.create だけが、メッセージを送るためのスコープです。読むだけでいいなら、これを外してください。外すと、あとに出てくるChat用アプリの構成という手順が丸ごと要らなくなります。公式のドキュメントも、読み取りだけの操作ならChat用アプリの構成は必要ない、と書いています。
OAuthクライアントを作る
同じGoogle Auth Platformの中に、クライアントという画面があります。ここでOAuthクライアントを作ります。種類はウェブアプリケーションです。
承認済みのリダイレクトURIに、次の1行を入れます。
https://claude.ai/api/mcp/auth_callback
作成すると、クライアントIDとクライアントシークレットが表示されます。この2つを次で使うので、画面を閉じる前に控えておいてください。
Claudeにカスタムコネクタを追加する
Claudeを開き、設定のコネクタへ移動します。カスタムコネクタを追加をクリックすると、名前とURLを入れる欄が出ます。
URLはこれです。
https://chatmcp.googleapis.com/mcp/v1
同じ画面の詳細設定を開くと、クライアントIDとクライアントシークレットを入れる欄があります。さきほど控えた2つを、そこに入れます。
このURLをブラウザのアドレス欄に貼って開くと、405というエラーが返ります。壊れているように見えますが、405が正しい応答です。このサーバーは、ブラウザで開く形の通信を受け付けない作りだからです。そのまま先へ進んでください。
追加すると、Googleアカウントでのログイン画面が出ます。ログインして、求められた権限を許可します。ここまでで、画面の上では接続が終わった状態になります。
ここで止まる。Developer Preview Programに申請する
接続が終わった状態で、Claudeに「Google Chatの今日のメッセージを取ってきて」と頼むと、エラーが返ります。私の場合は The caller does not have permission でした。同じ状態で Requested entity was not found が返った報告もあります。
エラーには、何が足りないかが書かれていません。だから、まず自分の設定を疑うことになります。私も、スコープを入れ直し、OAuthクライアントを作り直しました。
足りていなかったのは、Google Workspace Developer Preview Programへの登録でした。Google Chat MCPサーバーはまだデベロッパープレビューの段階で、使うには事前の申請が要ります。公式のページは、先頭に「デベロッパー プレビュー」という1行を置いているだけです。前提条件の欄には入れていません。だから、前提条件を上から順に潰していっても、ここに行き当たりません。
申請は、Google Workspace Developer Preview Programのページにあるフォームで行います。会社名、Google CloudプロジェクトID、利用目的を英語で書きます。技術的な質問はありません。プロジェクトIDは、Google Cloudコンソールの上のプロジェクト選択から見られます。
承認されると、件名が Your Google Cloud Project(s) has been registered のメールが届きます。私のときは1日で届きました。
費用はかかりません。Google Workspaceの契約の範囲内で、プログラムの参加も無料です。ただし、無料のGmailアカウントでは申請できません。Google Workspaceの有料プランを契約している組織のアカウントが要ります。
承認されたら、コネクタを切断して繋ぎ直す
承認のメールが届いても、そのままでは繋がりません。認証したときの状態が残っているので、繋ぎ直しが要ります。
Claudeの設定のコネクタを開き、追加したGoogle Chatのコネクタをクリックします。開いた先に切断というボタンがあるので、それを押します。押したあと、もう一度接続を押して、Googleアカウントでログインし直します。
繋ぎ直したら、Claudeに「Google Chatのスペースを一覧にして」と頼んでみてください。スペースの名前が返ってくれば、通っています。ここまで来ると、チャットの画面からコピーして貼る作業がなくなります。
送信も使うなら、Chat用アプリを構成する
読むだけなら、ここは飛ばして構いません。スコープに chat.messages.create を入れた方だけが必要な手順です。
Google Cloudコンソールで Google Chat API を検索し、管理、構成の順に開きます。アプリ名にChat MCP、アバターのURLに公式が挙げているアドレス、説明にChat MCP serverと入れます。機能のところでインタラクティブ機能を有効にするをオフにし、ログでエラーをLoggingに記録するを選んで、保存します。
これを飛ばして送信を使おうとすると、Google Chat app not found というエラーが返ります。
プレビューかどうかを、先に見る
エラーが出ると、まず自分の設定を疑いたくなります。ただ、プレビュー段階の機能では、登録のほうが足りていないことがあります。
前提条件の欄は、その機能が正式に出たあとの条件だけを並べていることがあります。ページの先頭にプレビューと書いてあったら、参加の手続きがあるかどうかを先に確かめてみてはいかがでしょうか。
