社内資料を、AIエージェントにわかりやすく作らせるには?

すでに社内資料は、人間が作ってはいけません。AIエージェントが作ります。

しかし、AIエージェントに「わかりやすく作って」と頼んで、わかりやすい資料になるでしょうか。

目次

社内資料は、AIエージェントが作る

資料はAIエージェントが作ります。人間はコメントを付け、そのコメントを受けてAIエージェントが直します。 AIエージェントは、資料を作る前に毎回、渡したガイドラインを読み込みます。

読み手がAIやITに詳しくない人なら、細かすぎて読解が要る資料は、本当の意味では読まれません。教育心理学者のリチャード・E・メイヤーは、説明に関係のない言葉や絵を除いた教材のほうが理解が進むことを、11の試験すべてで確かめています(『Multimedia Learning』2001年、ケンブリッジ大学出版局)。AIエージェントを作る人に向けた資料でも、この基準は変わりません。

AIエージェントに、資料のパターンごとの手本の画像を読み込ませる

AIエージェントに読み込ませるのは、資料のパターンごとに作った手本の画像です。手本の画像を読み込ませるのは、AIエージェントに、中身をセル(表のマス)や画像で表した資料を作らせるためです。 Claudeを提供するAnthropicも、例を渡すことを、出力の形式や構成を決める最も確実な方法の1つとしています(Anthropicのプロンプトの書き方の資料)。

伝えたいことごとに、パターンを決める

手本は、伝えたいことごとに分けて作ります。AIエージェントは、伝えたいことからパターンを選び、そのパターンの手本どおりに組みます。 以下のとおりです。

伝えたいことパターン
業務をAIに置き換えて、誰の作業が減るかビフォーアフター
2〜3のものを、いくつかの点で比べる比べるための表
数字の一覧の中に、見てほしい行がある一部の行を強調した表
誰かに、順番どおりに動いてもらう番号つきの横の手順
問題や事故が、なぜ起きたか原因から結果への流れ
条件によって、やることが変わる判定フロー
期限や、いつ何が始まるか期間のタイムライン
数字の大小・推移・内訳グラフ
関係者が多い長い流れを見渡す全体像と段階ごとの説明
順番も因果もない一覧箇条書きのまま

パターン1つにつき、手本の画像を1枚作る

手本は、実際のスライドと同じ形で、パターン1つにつき1枚作ります。タイトルに結論を書いた1枚を、そのまま手本にします。

ビフォーアフターの手本。AIが担う工程を赤い括弧でくくっている

ビフォーアフターの手本では、AIが担う工程を赤い括弧でくくります。

比べるための表の手本。左上のマスをあけ、行と列の間もあけている

比べるための表の手本では、左上のマスをあけ、行と行、列と列の間もあけます。

原因から結果への流れの手本。原因と結果に見出しを付けている

原因から結果への流れの手本では、原因と結果に見出しを付けます。

パターンを使う場面と決まりは、スライドに文字で書く

ガイドラインは、パターン1つにつき1枚のスライドにまとめます。左に手本の画像、右に「そのパターンを使う場面」と「決まり」を置きます。使う場面と決まりは、画像にせず、スライドに文字で書きます。 スライドを丸ごと画像にすると、AIエージェントがスライドを文字で読み込んだときに、決まりの文を取り出せません。

全体を見渡すスライドのあとに、段階ごとの説明のスライドを続ける

関係者が多い長い流れは、全体を見渡すスライド1枚から始めます。全体像のスライドのあとに、段階を1つずつ説明するスライドを続けます。 鷹の目で全体を、蟻の目で1つの段階を見てもらうためです。両方の目線を持つと、読み手の中に情報空間ができあがり、今の話が全体のどこにあるかを分かったまま読めます。

全体像の手本。関係者が多い長い流れを1枚で見渡す
段階ごとの説明の手本。上に全体像の段階を並べ、説明している段階だけを赤にしている

段階ごとの説明のスライドでは、上に全体像の段階を小さく並べ、説明している段階だけを赤にします。段階の名前は、全体像と同じ言葉にします。

順番も因果もない一覧は、箇条書きのまま並べる

持ち物、必要書類、お願い、決まったことの一覧は、図にせず、スライドに文字で並べます。順番があれば手順の図、条件で分かれれば判定フロー、比べるなら比べるための表にします。

手本は、人のコメントを受けてAIエージェントが直す

手本の最初の版も、AIエージェントに作らせます。人は、手本のスライドにコメントを付けます。 私が付けたコメントには、比べるための表への「縦軸と横軸の相関関係はわかりづらいな」と、原因から結果への流れへの「フロー図かと勘違いしていた」がありました。

1つ目のコメントを受けて、表の行と行の間をあけ、左の列を「何をする?」のような問いに変えました。2つ目のコメントを受けて、原因と結果に見出しを付け、原因2つを左に縦に並べました。「文章の箇条書きだけで良いパターンもあるでしょ?」というコメントからは、箇条書きのまま並べる一覧の決まりができました。直した決まりは、ガイドラインと、AIエージェントが資料を作るときに読む指示書の両方に入れます。全部のパターンに共通する決まりも入れます。たとえば、本文は1枚80字までにし、図の中の文字は数えません。

よくある疑問

Q:資料作成に使うAIエージェントは、何を選べばよいですか。
A:手本の画像を読み込めて、スライドを書き出せるものなら使えます。

Q:手本の画像の文字は、実際の資料のままでよいですか。
A:社外に出る可能性があるなら、仮のテキストに差し替えます。図の形が伝われば、手本として足ります。

よく作る資料のパターンをもとに、手本の画像を作る

よく作る資料のパターンを選び、そのパターンの手本の画像を作って、AIエージェントに読み込ませてみてはいかがでしょうか。

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