サーチコンソールを開いたら、クロール済み – インデックス未登録の件数が数千件になっていた。リストを開いても、並んでいるURLに共通点が見つからない。これを1本ずつ直していくのだろうかと思ったところで、手が止まる。
よく言われる対処は、だいたい決まっています。薄いページの品質を上げ、重複した記事を統合し、canonicalタグを設置する。それでも動かなければ、削除するかnoindexを付ける。
この記事が立てる問いは違います。それを全部やろうとしている人に、着手する前へ一度だけ戻ってほしいのです。直す対象は、本当にページなのでしょうか。
未登録が数千件あるなら、それは1本ずつの問題ではない
件数の多さそのものが、原因のある場所を教えています。
10件なら、その10ページに固有の理由があります。タイトルが重なっている、内容が薄い、canonicalが間違っているといったものが、1つずつ見れば見つかります。
数千件は違います。数千ページのそれぞれに別々の理由がある、とは考えにくいので、同じ判定が一括でかかっていると見るほうが自然です。
もう一つ、リストを潰す作業が成立しない理由があります。Google公式のヘルプには、あの一覧についてこう書かれています。「このリストには必ずしもそのような問題がある URL がすべて表示されるわけではなく、行数は 1,000 に制限されています」。
つまり、あれはサンプルであって全件ではありません。上から順に潰していく方法では、見えていない分が常に残り続けます。
まず、インデックス率を出す
やることは、割り算を1回するだけです。
サーチコンソールのサイトマップを開くと「検出されたページの合計数」が出ていて、ページのレポートには「登録済み」の数字があります。後者を前者で割ったものが、インデックス率です。
未登録の件数だけを見ているあいだは、規模が分かりません。5,000件という数字は、1万ページのサイトなら半分ですが、6,000ページのサイトならほぼ全部にあたります。同じ5,000でも、意味が正反対になってしまうのです。
母数にサイトマップの数字を使うのは、そこに記事本体しか入っていないからです。記事ごとのフィードやカテゴリーのページャは含まれないので、記事に近い分母で割れます。
私のサイトは37パーセントだった
自分の実数を書きます。
サイトマップの検出ページは5,759件で、内訳は記事本体が5,644本、カテゴリーページが110、固定ページが5でした。そして登録済みが2,161件、未登録が6,924件です。
2,161を5,759で割ると、37パーセントになります。
5,644本を書いて、検索の対象になっているのは2,161本でした。残る3,400本ほどは、公開されているのに存在していない扱いになっていたわけです。
順位を見ていたあいだ、この数字は一度も視界に入りませんでした。順位はインデックスに入っている記事についてしか出ないので、入っていない3,400本は表示回数が0のまま、レポートのどこにも現れません。
悪い数字が出ているのではなく、そもそも数字が出ない。だから気づけませんでした。
原因は、1か月で5,000本を公開したことにあった
2025年8月の1か月で、約5,050本を公開しました。サイト全体の9割にあたります。
内容そのものが間違っているわけではありません。医学や歴史の一般的な説明として、事実は正確に書いてあります。
ただ、どれも他所で読める内容でした。そこにしかない情報が、1つも入っていなかったのです。
Googleのスパムポリシーには、こう書かれています。「大量の独自性のないコンテンツを作成し、ユーザーにほとんど価値を提供しないこと」。そして続けて、「作成方法を問わない」とあります。
判定の基準は、正しいかどうかではなく、独自かどうかでした。教科書に書いてあることを正確に書いたのだから、独自ではない。ここは読み返して、弁明の余地がないと思いました。
そして適用の単位がページではなくサイトなので、数千件がまとめて外れます。
未登録のページにnoindexを付けても、何も起きない
これは実際にやりかけて、途中で止めました。
クロール済み – インデックス未登録のリストをエクスポートして、そこに並んだページへnoindexを付けようと考えたのです。どうせ評価されていないのだから、こちらから外してしまえばいい、と思いました。
手を動かす前に気づきました。あのページ群はすでにインデックスに入っていないので、外しても外れる先がありません。
noindexは、インデックスに入れないでください、という指示です。評価しないでください、という指示ではないので、Googleがすでに見て判断を下したあとに付けても、その判断は動きません。
そしてここには、目に見えないコストがあります。手を動かした分だけ対処した感触が残るので、3か月後に何も変わらなかったとき、noindexは効かなかったという誤った結論が出てしまう。効く場所に打っていなかっただけなのに、打ち手そのものを否定してしまいます。
記事を1本も直さないまま、3,000件が戻り始めた
2026年5月17日の登録済みは1,396件で、8月には2,161件になっています。3か月で765件、月あたり約255件のペースです。
このあいだ、既存の記事には一切手を入れていません。統合もリライトも削除もnoindexも、1本もやっていない。
やったことは1つだけで、2026年6月から書き方を変えました。自分が実際に試したこと、失敗した設定値、うまくいかなかった手順。そういうものが入った記事だけを、2か月で61本書いています。
61本は全体の1パーセントです。その1パーセントを足しているあいだに、触っていない3,000本以上が戻り始めました。
ここで事実と解釈を分けておきます。時期は一致していますが、61本が回復の原因だと証明されたわけではなく、コアアップデートの影響という可能性も残ります。この記事で言えるのは、既存ページを1本も直さないまま数字が動いた、という事実だけです。
それでも、力を入れる向きは変わりました。過去を直すのではなく、これから書くものの質を上げる。そちらに時間を使うほうが、少なくとも自分の場合は数字が動きました。
判断基準は、未登録の件数ではなく割合である
インデックス率を出したら、次の目安で読んでください。
8割を超えているなら、未登録の中身は個別の理由です。記事ごとのフィードやページャや重複が混ざっているだけかもしれないので、リストを開いて共通点を探す価値があります。
5割を下回っているなら、個別の理由では説明がつきません。ページを1本ずつ直しても割合はほとんど動かないので、見る対象をサイト全体へ切り替えたほうが早いはずです。
そして、割合のほうを毎月1回だけ記録してください。件数ではなく割合です。
上がっているなら、いま書いているものが効いているので、手を止める理由はありません。横ばいなら、書き方のどこかが変わっていないということなので、そこで初めて中身を見直す番になります。
数字を1つ書き写すだけなので、月に1分もかかりません。この1分が、3,400本を1本ずつ直しにいくかどうかの分かれ目になります。
よくある疑問
Q:インデックスされていない記事は、削除したほうがいいのでしょうか。
A:急ぐ必要はないと思います。削除は取り消しが効かないうえ、私の場合は1本も削除せずに戻り始めました。判断するなら、インデックス率が数か月動かないことを確かめてからでも間に合います。
Q:リライトすれば入りますか。
A:数十件なら効きます。ただし数千件では速度が追いつかず、1日3本直しても3年かかる計算になるので、その時間を新しい記事に使うほうが現実的です。
Q:どれくらいの期間で戻りますか。
A:私の場合は月あたり255件でしたが、これは1サイトの数字にすぎません。回復するかどうかも、その速さも、サイトごとに違うはずなので、他人の期間ではなく自分のインデックス率の推移で見てください。
Q:新しく書く記事は、どう変えればいいのでしょうか。
A:自分が手を動かして分かったことを、1つでも入れることです。試した設定値、失敗した手順、買ってみて合わなかったもの。検索して出てくる情報だけで組み立てた記事は、独自ではないと判定される側に入ります。
まとめ
クロール済み – インデックス未登録が数千件あるとき、原因は個別ページにありません。件数の多さそのものが、判定がサイト単位でかかっていることを示しています。
だから最初にやることは、リストを開くことではなく、割り算を1回することです。登録済みの数を、サイトマップの検出ページ数で割ってみてください。
私の場合は37パーセントでした。この数字を見るまで、順位が上がらない理由をずっとページの中に探していたので、探す場所そのものが違っていたことになります。
あなたのサイトのインデックス率は、いくつでしょうか。






