呼吸が浅いと感じたときに伸ばす場所は、脇腹、胸、肩の3つです。始めるのは脇腹です。
しかし、呼吸のストレッチとして紹介されているのは、肩、首、体幹、背中、胸の5つです。脇腹から始めるとは、どこにも書かれていません。
肋骨の動く方向と、5種目に入っていないものを並べます。
下の肋骨が横へ開かないと、お腹は膨らまない
まず、肋骨の動き方から見ます。肋骨は、下と上で動く方向が違います。
下の肋骨は横へ開き、上の肋骨は前へ持ち上がります。息を吸ってお腹が膨らむのは横隔膜が下がるからで、下がる先は、下の肋骨が横へ開いた分だけあります。下の肋骨が開かないと、横隔膜の下がる先が出ません。
呼吸のストレッチとして紹介されているのは、肩を回す、首を横に倒す、頭の後ろで手を組んで上へ伸ばす、背中を丸める、胸を張るの5つです。どれも前後と上下の動きで、体を横へ倒すものは入っていません。
脇腹は、立ったまま横へ倒して伸ばす
横へ倒す種目を1つ足します。私は、息を吸ってもお腹が膨らみません。固かったのは脇腹でした。
足を肩幅に開いて立ちます。片方の腕を頭の上へ上げて、上げた腕と反対側へ、上体をゆっくり倒します。上げた側の脇腹が、脇の下から腰まで伸びます。
倒したまま、呼吸を止めずに20秒かけます。左右で1回ずつ行います。
厚生労働省のe-ヘルスネットは、静的なストレッチの条件として、20秒以上かけること、呼吸を止めないこと、痛くなく気持ちよい程度で止めることを挙げています。
呼吸筋ストレッチ体操にも、横へ倒す回はあります。指導マニュアルに載っている5つには入っていませんが、環境再生保全機構が公開している動画は11のレッスンに分かれていて、その5番目が腹部・体側のストレッチです。
座ったままなら、椅子で同じ向きに倒す
立ち上がれない時間帯もあります。椅子でも、同じ場所が伸びます。
椅子に浅く座り、両足を床につけます。片方の腕を頭の上へ上げて、反対側へ上体を倒します。下半身が固定されるぶん、腰から上だけが伸びます。
こちらも20秒かけて、左右で1回ずつ行います。会議と会議のあいだに1回入れると、座り続ける時間が一度切れます。
胸と肩を先にやると、下の肋骨は動かない
横が開いたら、前と上を足します。胸と肩は、横が開いたあとです。
胸のストレッチは、腰の後ろで両手を組み、息を吸いきってから、吐きながら肩甲骨を寄せて腕を下へ伸ばします。肩のストレッチは、吸いながら両肩を前から引き上げて後ろへ回し、吐きながら下ろします。
どちらも動かすのは上の肋骨です。お腹が膨らまないと感じているなら、動かしたいのは下の肋骨なので、順番は後ろになります。
息を止めた地点で、伸びる幅も止まる
伸ばす場所が決まったら、次は呼吸の合わせ方です。
呼吸筋ストレッチ体操の資料は、息を吸いきる、吐ききるまで行うことを、効果の条件として書いています。種目は、吐く筋肉を伸ばすものと、吸う筋肉を伸ばすものに分かれていて、吐く筋肉を伸ばすものは吐きながら動かします。脇腹の筋肉は息を吐くときに働くので、脇腹を倒すのも吐きながらになります。
効果の出方は、書けません。呼吸筋ストレッチ体操を測った研究は、慢性の呼吸器疾患の患者を対象にしたものだけで、デスクワークで呼吸が浅いと感じる人を測ったものは見つけられませんでした。
よくある疑問
Q:ストレッチポールは要りますか。
A:要りません。立って腕を上げるか、椅子に座って腕を上げるかで、同じ場所が伸びます。
Q:脇腹に痛みがあるときも、やっていいですか。
A:やめてください。息を吸うたびに脇腹が痛むなら、別の原因があります。内科を受診してみてください。
Q:胸や肩のストレッチは、やらなくていいのですか。
A:やってかまいません。順番を後ろにするだけです。
今日、椅子から立ってやること
呼吸が浅いと感じたら、始めるのは、片腕を頭の上へ上げて、反対側へ20秒倒すところです。
下の肋骨が横へ開くと、横隔膜の下がる先が出ます。今日のうちに、左右1回ずつ試してみてはいかがでしょうか。
11のレッスンを通してやるなら、全編の動画が公開されています。







