米国の長期金利、つまり10年国債の利回りが4.8%まで上がりました。私は、国債で5%取れるなら十分で、株を持つなら10%ぐらいの利回りがないと割に合わない、と考えました。そこで、5%が住宅金利と物価上昇率と株式市場に何を起こすのかを調べました。
金利が上がると株が下がり、住宅ローンが重くなる、という説明は銀行や証券会社のサイトに並んでいます。いまの数字でどこまで起きているかは、そこには書いてありません。
この記事は、2026年9月2日の数字で、住宅金利と物価上昇率と株式市場に何が起きているかを順に並べます。
米国の長期金利が4.8%まで上がったのは、物価上昇率が下がらないと市場が見たからである
まず、なぜ長期金利がここまで上がったのかです。10年債の利回りは9月2日に4.81%で、2023年10月以来の高さです。ロイターは理由を3つ挙げています。米国とイランの緊張で原油が再び上がり、物価が下がりにくくなったこと。FRBのウォーシュ議長がジャクソンホール会議でインフレを警戒する発言をし、利上げの観測が強まったこと。政府債務が40兆ドルを超え、財政への不安が残っていること。
物価の数字はこうです。7月のCPIは前年比3.4%で、ガソリンが前年比24.6%上がった分が大きく、食品とエネルギーを除くと2.5%です。FRBの目標は2%なので、届いていません。5%は3%台の物価が下がらないと市場が見た結果で、金利が高いこと自体は、借りる人を減らして物価を抑える側に働きます。
住宅金利は6.7%に張り付き、新築住宅の販売は減っている
次に、その利回りが住宅金利に何をしているかです。米国の住宅ローンは30年固定が主流で、その金利は10年債の利回りに1.8%前後を上乗せした水準で動きます。Freddie Macの週次で、30年固定は8月27日に6.66%でした。1年前の同じ週は6.56%で、1年たっても下がっていません。10年債が5%まで上がれば、住宅金利は6.5〜7%の帯から出られません。
売れ行きに出ています。ロイターによると、7月の新築住宅販売は前月比10.5%減で、1月以来の低さでした。理由として挙げられているのは金利の高止まりです。
株は、国債と比べた有利さを失う
3つ目は株式市場です。株の利回りは益回りで見ます。PERの逆数で、株価に対して1年で稼ぐ利益の割合です。S&P500のPERは8月31日時点で29.6倍なので、益回りは3.4%です。国債の4.81%を下回っています。国債で4.8%取れるのに、株は1年で3.4%しか稼いでいない状態です。
この差が戻る道は2つしかありません。企業の利益が増えるか、株価が下がって益回りが上がるかです。ロイターは、企業業績が堅調なので株価は底堅い、と書いています。いまは前者で持ちこたえている状態です。
2022年は株が19.4%下げた。次がいつかは、利回りの差からは出てこない
決まらないものが1つ残ります。株が落ちる時期です。
株価が下がって差が戻った現物は2022年です。10年債の月平均は2021年12月の1.47%から2022年12月の3.62%まで上がり、S&P500は年間で19.4%下げました。差が薄いことは、落ちる理由にはなります。ただ、いつ落ちるかは決めてくれません。来月なのか3年後なのかは、利回りの差からは出てきません。
私が決めたのは、国債の5%で足りるかどうかです。株が落ちる時期は当てにいきません。足りるなら、株が落ちて益回りが上がったときに、自分の要求する水準に届くかを見ればいい。落ちなければ、5%は取れています。株を見る前に、5%で足りるかどうかを決めておいてはいかがでしょうか。





