ブログ執筆型AIエージェントを動かすとき、ClaudeAIのエフォートは何が適切か?

ブログ記事を書かせるAIエージェントのエフォートは、中です。ただし、上げる工程が1つだけあります。

エフォートを1段下げれば、トークンの消費は減ります。下げない理由は、消費の表からは出てきません。私も、各レベルの倍率を調べたあとで、低で良いのではないかと考えました。

低で良くない理由は、下げると何が減るのかを見ると分かります。

目次

エフォートを下げても、文章は短くならない

エフォートを下げて減るのは、Claudeが考える量と、ツールを呼ぶ回数です。文章そのものは短くなりません。Claude Opus 5について、エフォートが制御するのは思考の量までで、目に見える応答の長さには及ばない、とAnthropicの公式ドキュメントに書かれています。記事を短くしたいなら、字数を指示に書きます。

モデルとエフォートは別のつまみです。モデルはClaudeが何を知っているかを決め、エフォートはその知識でどれだけ働くかを決めます。5段階あり、下から low、medium、high、xhigh、max です。既定は high なので、何も決めずに使うと、全部 high で回ります。

エフォートを低くすると削られるのは、確認の手数である

低いエフォートでは、Claudeは複数の操作を少ないツール呼び出しにまとめ、前置きなしで作業に入ります。高いエフォートでは、動き出す前に計画を説明し、終わったあとに変更の詳細をまとめます。公式ドキュメントの、ツールを使うときの挙動を書いた節にあります。

つまり、下げてまず減るのは、Claudeが調べる手数と、確認する手数です。記事で言えば、参照したはずの資料を開かない、書いた数字を裏取りしない、指定した条件を最後まで拾わない、という形で出ます。文章の調子は変わりません。同じ調子のまま、中身を確かめていない状態で出てきます。

もう1つ、Claudeが作業の途中で切り上げて、終わっていない原稿を返してくることがあります。そうなると、どこで止まったかを探して、もう一度指示を出すことになります。この往復まで入れると、正しいエフォートで1回走らせるより高くつくことがある、とAnthropicの解説サイトが書いています。

1段下げて浮いたトークンは、このやり直しで消えます。

上げる価値があるのは、自分で確かめられない工程だけである

では上げれば良いかというと、上げて増えるのは、裏取りと、指示を最後まで照合する手数です。文の運びは変わりません。

エフォートを上げる場面は2つあります。時間がかかって何度もやりとりが要ると分かっている作業と、自分ではすぐに確認できない作業です。後者は、モデル自身にもっと確認させたいときの話です。

文章の読み心地は、この2つ目に当たりません。書いた記事が読みやすいかどうかは、書き手が読めば分かります。分かるものに、モデルの自己確認を足しても、変わるところがありません。読み心地を決めているのは、指示に書いた文体と型です。

上げすぎると、必要以上のトークンを使い、考えすぎるか、こちらが割り当てていない作業を自分で見つけてきます。記事では、指示していない章と見出しが増える形で出ます。1本の記事に、頼んでいない補足の節がついてくるのがこれです。

守らせたいことは、スキルに書いておく

中にしても、禁止事項が自動で守られるわけではありません。禁止事項は、指示に書いてあるものをClaudeが最後まで照合するかどうかの話です。書いていないものは、どのエフォートでも守られません。

低いエフォートで使うなら、作業が複数の節に分かれている場合は、明示的なチェックリストを添えるように、と公式ドキュメントが書いています。守らせたいものがあるなら、指示の側で数えられる形にしておく、という意味です。

だから、守らせたいことは、エフォートを決めるより先に、AIエージェントの仕様書に書いておきます。ClaudeAIならスキルです。エフォートは、そこに書いてあるものをどこまで照合するかを決めているだけで、書いていないものを補ってはくれません。

下書きのエフォートは中のまま、事実確認と点検だけ上げる

エフォートは、記事1本につき1つに固定しなくて構いません。

Claude Codeでは、エフォートを設定できる場所が複数あります。起動時に渡す –effort、対話中に切り替える /effort、設定ファイル、環境変数。そして、スキルやサブエージェントのファイルに書いておくと、その中が動いているあいだだけ別の値になります。

記事を書く工程で言えば、下書きを書かせる工程は中のままにして、事実確認と、出す前の点検だけエフォートを上げます。上げる場面の条件に当たるのが、この2つだけだからです。自分ですぐ確認できないのは、出典が本当にそう言っているかと、指定した条件を全部拾ったかの2つです。

ただし、切り替えには代償があります。会話の途中でリクエスト全体のエフォートを変えると、それまでのプロンプトキャッシュが効かなくなります。前のやりとりを読み直すところから始まるので、切り替えた回に読み込みが1回増えます。Claude Opus 5など一部のモデルは、メッセージごとに変える形が用意されていて、そちらならキャッシュが残ります。スキルやサブエージェントのファイルで指定した場合にキャッシュがどうなるかは、公式ドキュメントに書かれていません。私も確かめていません。

確実なのは、工程でセッションを分けることです。下書きのセッションを中で回して、事実確認と点検を別のセッションで上げる。読み直しは起きますが、それは新しいセッションを開いた分だけで済みます。

指示を守れれば、エフォートを下げて良い

指示に書いたことを守れているなら、エフォートは下げて構いません。品質が保たれるなら低と中を積極的に使うように、と公式ドキュメントも書いています。ただし、ブログ記事で守れているかどうかを何で見るかまでは、書かれていません。

2本の文章を並べて比べても、エフォートによる差は、たいてい分かりません。分からないなら、その差は自分の記事には無いものとして扱って構いません。守れているかを見るのは、次の3つです。事実の誤り、抜けた指定、裏取りしていない数字。

同じ指示で記事を2本書かせて、この3つの件数を数えます。3つとも0件で並んだなら、下げたほうを使います。差が出たら、1段戻します。1段ずつ動かして、差が出たところで止める、という手順です。

よくある疑問

Q:モデルを上げるのと、エフォートを上げるのは、どちらが先ですか。

A:エフォートが先です。知識が足りなかったのか、働きが足りなかったのかで分けます。知ってはいるが働きが足りないならエフォートで、エフォートを上げても直らないならモデルです。

まとめ

ブログ記事を書かせるなら、中から始めます。下げると削られるのは確認の手数で、その先に事実の誤りと、終わっていない原稿があります。上げて増えるのは裏取りと指示の照合までで、読み心地はエフォートでは動きません。

エフォートを上げる価値があるのは、自分ですぐ確かめられない工程だけです。事実確認と、出す前の点検。この2つだけ別に指定して、残りは中のまま回してみてはいかがでしょうか。

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