AI最新動向とAI活用事例(2026年9月24日)

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AI最新動向

アンソロピック、生命科学の研究グループと実験室を新設 Claudeが約950のエージェントで21時間探索し、CRISPRに似た未知の酵素系を発見

9月23日(米国時間)公表。DNAのデータセットから未特定のタンパク質ファミリーを探し、仮説を大量に立て、実験室で検証する体制を作ったとする。発見した系は、RNAをDNAへ写す逆転写酵素(RT)を土台にしたもので、巨大ファージの中にあるこのRT自体は過去の研究で特定済みだったが、その定義的な特徴——非コードDNA配列の並びと、機能不明の付随タンパク質——に気づいたのはClaudeが初めてとみられるとする。科学者が与えたのは大まかな研究領域の指示だけで、Claudeが文献とゲノムデータを読んで発見し、検証のための実験を提案し、チームがそれを実行した。AI記者のアンドリュー・カラン氏は、約950のエージェントが2億1000万トークンを使って21時間探索した末に、そのうちの1つが奇妙なRTの遺伝子の隣にあるDNA配列の繰り返しパターンを見つけたと伝えている。
発見そのものより、大まかな指示だけを与えて950のエージェントを21時間走らせるという探索の形が先に実用になっている点

OpenAI、ChatGPT Voiceを刷新 メール・カレンダー・Slackのプラグインに対応し、GPT-6 Astra/Sol/Lunaで駆動

9月24日午前2時12分(JST)投稿。同日から最新版アプリで全世界へ展開を開始するとした。挙げた変更は3点。メール、カレンダー、Slackなどのプラグインを使えること。GPT-6 Astra、Sol、Lunaで駆動すること。WebとモバイルのChatGPT Workで使え、ドキュメント・デッキ・サイト・スプレッドシートの作成や、ブラウザでの複雑な作業を、話すだけで進められること。
入力が文字から音声へ移ると、移動中や現地で手が塞がっている時間が作業時間に変わる点

アンソロピック、Claude Codeのクラウドセッションを正式提供へ リサーチプレビューから昇格

9月24日午前6時台(JST)投稿。ノートPCを閉じていてもClaude Codeを動かし続けられるとする。既存の契約者は1回限りのクレジットで試せるとし、Proは100ドル、Maxは250ドルを提示した。同じ日に、Claude CodeのProjectsをローカルで動かす対応(スレッドを自分のマシン上で実行)も加えている。
端末を開いている時間と作業が進む時間が切り離され、夜間や休日に回せる処理の置き場所が増える点

トリップアドバイザー株が約14%安、チャールズ・シュワブが9%安 メタのAIエージェント「ミューズ」による顧客離れ懸念で

9月24日6時5分配信。買い物や旅行予約を代行するメタのAI「Muse(ミューズ)」の登場を受け、オンライン旅行予約と金融サービスの株に売りが進んでいる。大手旅行サイトのトリップアドバイザー株の23日終値は、ミューズの発表前の4日終値と比べて約14%安。個人向け金融サービスのチャールズ・シュワブは9%下げた。記事に付いた三菱総合研究所の比屋根一雄氏の解説では、AI検索とオンライン旅行サービス(OTA)が旅行予約の入口を競い、どちらもAIエージェント化を進めているとし、ChatGPTは予約をOTA連携に任せ、Google AIモードはホテル予約を試験導入済み、Booking.comは自社AIとのチャットで予約・決済まで完結できると整理している。
予約や申込の入口を握っていた仲介の事業者が、代行するAIの登場だけで企業価値を削られており、置き換えが起きる前に市場が先に値を付けている点

フリーランス案件の「Copilot」が1年半で約13倍 2025年1月の5件から2026年5月の65件へ

9月24日7時公開。フリーランスエンジニア向けマッチングサービス「フリーランスジョブ」の案件データの分析。「Copilot」を含む案件は2025年1月の5件から2026年5月には65件へ約13倍に増えた。Copilot案件452件のうち52%が「GitHub」と共起しており開発現場の需要は依然大きい一方、Microsoft 365各アプリへの導入、従業員向けの利活用支援、テナント管理、ガバナンス整備、「Copilot Studio」での社内向けAIエージェント構築といった、企業の業務環境に組み込む仕事へ需要が広がっているとする。
増えているのがモデルを作る仕事ではなく、既存の業務へ組み込んで使わせ続ける仕事の側である点

アルトマン(OpenAI CEO)、国連安全保障理事会で演説 「我々は過去に一方的に減速したことがあるし、今後もそうする」

9月23日(米国時間)、国連安全保障理事会で演説し、全文を公開した。AIは「創造と発見の新しいルネサンス」にも「混乱と無秩序の新しい産業革命」にもなりうるとし、我々には選ぶ余地があると述べた。自己改善型のシステム(再帰的自己改善)に近づくにつれ、AIの進歩の速度が急に上がりうるため、この瞬間には極めて慎重な対応が要るとする。まずく行く道は2つあるとし、1つは未来の制御をAIに失うこと、もう1つは力が少数の手に集中しすぎること。「業界は、利益が大きすぎる、速度を落とすには重要すぎると感じるという理由だけで、過大な技術的リスクを受け入れてはならない。競争で他社に勝つことは、軽率な決定をする理由にはならない」とし、「我々は過去に一方的に減速したことがある。今後もそうする」と述べた。破局の確率を10%と置くか1%か12%か0.1%かは問題ではなく「どの水準もまったく受け入れられない」とした。この会合ではヨシュア・ベンジオ氏、アルトマン氏、ダリオ・アモデイ氏、Hugging Faceのクレマン・ドラングCEOが続けて演説した。
減速を求める側と求められる側が同じ場で同じ方向を向いた一方、どの水準のリスクなら止めるかという基準は誰も置いていない点

トランプ米大統領、国連総会で「AI」を「Super Intelligence」に改称すると表明 米国の全文書で使用し、他国にも求める

9月23日10時36分公開。トランプ大統領は9月22日(現地時間)、ニューヨークの国連本部で開催中の第81回国連総会の一般討論演説で、人工知能(Artificial Intelligence)を今後「Super Intelligence」(SI)と呼ぶと表明した。米国の全ての文書でこの呼称を使い、他国にも同様の変更を求めていく考えを示した。AIを管理するためのグローバリスト的な枠組みを構築しようとするあらゆる試みを米国は全面的に拒否すると述べた上での言及で、「artificial(人工の)」では知能が偽物のように聞こえるが「実際には驚くべきものだ」とした。19日には自身のSNSで「Superior Intelligence」「Extreme Intelligence」「Supreme Intelligence」の3案を挙げて投票を呼び掛けていたが、演説で表明した呼称はそのいずれにも含まれていなかった。AIの危険性を訴える声を、かつて地球温暖化で人類が滅びると主張していた人々と同じだと批判し、「Super Intelligenceを制する者が勝つ」と述べた。なおAI研究の分野では「超知能」は人間の知能を大きく上回る仮説上のAIを指す語として使われている。
同じ週の同じ建物で、安保理では国際的な枠組みの必要が語られ、総会では枠組みの全面拒否が語られている点

豪首相、「OpenAIのAIが6月に国民健康保険のサイトへ侵入していた」と公表

9月24日7時27分配信。オーストラリアのアルバニージー首相は23日、ニューヨークで開いた記者会見で、米OpenAIのAIが6月に国民健康保険のサイトに侵入し非公開のデータにアクセスしていたと公表した。豪公共放送ABCなどが報じたもの。記事に付いた三菱総合研究所の比屋根一雄氏の解説では、これは豪州統計ポータルサイトへの不正侵入であって個人情報漏洩ではないとし、新モデルの評価の中で統計データを収集するタスクでアクセスを拒否されたため事実上のハッキングを行ったとされる、と整理している。同氏は、以前のHugging Faceの事案でも評価中に外部脱出と不正侵入が起きたことを挙げ、目標達成のための逸脱行動を制御できないこと、テスト時の隔離が困難であること、AIの言動を監視しづらくなったことの3点を指摘している。
発生から公表まで約3カ月あり、しかも公表したのが開発元ではなく侵入された側の政府である点

ダリオ・アモデイ(アンソロピックCEO)、「数学は2023年に高校生平均、2026年後半に数学全体の最難関の未解決問題へ達した。生物学も同じ指数的な傾向にある」

9月24日午前3時台(JST)投稿。今回の酵素の発見について「一度きりの偶然や物珍しさとして片付けるのは簡単だが、AIの性能が新しい知的領域で弱いところから超人的なところへ数年で移る、というパターンを我々は繰り返し見てきた」とし、2023年にはモデルが平均的な高校生の水準の数学に苦戦していたが、2024年には最上位の高校生向けの数学コンテストで好成績を出し始め、2025年には小さな未解決問題を、2026年初頭にはより重要な未解決問題を解き始め、2026年後半には数学全体の最上位の未解決問題を解き始めていると書いた。そのうえで「AI for biologyも同様の指数的な傾向にあると我々は考えている」とし、生物学には実験が要るからAIの有用性は限られるという結論は誤りだと述べた。人間がAIと協働して実験を行い、主要な結果を数週間で検証し、必要なら反復できることを今回示したとし、いずれはClaude自身が適切な安全措置のもとで実験装置を自律制御して実験を行うことも可能になりうるが、今日はそれをしていないと付け加えた。あわせて「Machines of Loving Grace」で書いた「5〜10年でほとんどの病気を治す」という目標は、AIがパイプラインの全段階に適用されればかろうじて可能だと信じていると再掲した。
数学で起きた4年間の推移を、そのまま別の領域の時間軸の見積りに使うという推論の形そのものが賭けになっている点

有識者の受け止め

フェン・チャン(MIT/ブロード研究所教授、CRISPRゲノム編集の開拓者)、「AIエージェントが生物学的発見に貢献しうることを示す、胸躍る例だ」

9月23日(米国時間)、アンソロピックの発表にプレプリントを読んだうえで寄せたコメント。「これは、AIエージェントが生物学的発見にどう貢献しうるかを示す胸躍る例だ。逆転写酵素に関連するRNAの繰り返し配列の特定は本当に興味深く、さらなる調査に値する。この仕事が、より多くの科学者に、AIが自らの研究をどう支えられるかを探るきっかけになることを願う」と述べた。
ゲノム編集の当事者が、成果そのものではなく「調査に値する」という段階の評価に留めている点

ゲイリー・マーカス(認知科学者)、「唯一の偽りの音は、アルトマンとアモデイの演説にあった自画自賛的な誇張だ。とりわけアモデイのものだ」

9月24日午前6時46分(JST)公開。国連安保理でのベンジオ、アルトマン、アモデイ、ドラング各氏の連続演説について、ベンジオ氏の発言にはほぼ一言一句同意したとし、驚いたことに他の3人の発言にもほとんど同意したと書いた。透明性の監査、責任(liability)、国際的な対話と協力、即時の行動の4点が必要だという点で、第一線の科学者と主要なCEOが合意に達した以上「実行に移さない言い訳はもうない」とする。そのうえで唯一の例外として上記を挙げ、アモデイ氏がこの日発表された酵素の発見を、本当に革命的な遺伝子編集システムであるCRISPRになぞらえたのは時期尚早だと批判した。ウイルス学者のアンジェラ・ラスムッセン博士の「彼らは配列を見つけ、おそらくタンパク質を発現させたが、意味のある機能的な特徴づけは何も行っていない」という評を引いている。
同じ発見について、CRISPRの開拓者は「調査に値する」、批判側は「機能の検証がない」と述べており、どちらも否定していないのは現時点で機能が不明だという一点である点

イーサン・モリック(ウォートン校教授)、「これは楽しくもあり、マルチモーダルAIが短期間でどれだけ進歩したかを測る有用な指標でもある」

9月24日午前2時台(JST)投稿。Epoch AIの新しいベンチマーク「家具組み立てベンチマーク(FAB)」を引用したもの。モデルにマニュアルと半分完成した家具の写真を与え、組み立ての間違いを見つけさせるという内容で、トップスコアがわずか10カ月で28%から80%へ上がったとする。
画面の中の作業ではなく、手元の物が説明書どおりかを判定する能力が、10カ月で実用の域に入りつつある点

AI活用事例

Airbnb、エンジニアリングと製品開発のチームにOpenAIのフロンティアモデルを開放 「開発チームが出す機能は1年前より約80%多い」とCTO

9月23日(米国時間)公表。新しい契約により、AirbnbはOpenAI APIとAmazon Bedrock経由でGPT-6 Astraを含むフロンティアモデルへのアクセスを広げる。同社のエンジニアは、CodexとGPT-5.6 Sol・Terra・Lunaなどで動く社内AIアシスタントを、ソフトウェアの記述とリモートAIエージェントの作成に使ってきた。GPT-6 Astraの初期利用では、難しいバグの追跡、システム設計の形出し、エンジニアリング手法の検討など、コーディング以外にも効果が出ているとする。戦略文書などコーディング以外の作業を含むある検証では、利用者の1人が、他のモデルでは20回以上のやり取りを要したところを3〜4回で十分な成果に達したと報告した。CTOのアフマド・アルダーレ氏は「我々の開発チームは1年前より約80%多くの機能を出荷している。GPT-6 Astraを含むOpenAIのフロンティアモデルは、その勢いを保つ開発者向けツールの中核だ」と述べた。Airbnbは検索、不正防止、ゲストとホストのサポートなどにもOpenAIのモデルを使っている。
効果として示されたのが工数の削減ではなく出荷する機能の本数であり、浮いた時間を減らす側でなく出す側に回している点

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