AIのバンドカバー動画は、どうやって作っているのか?好きな曲のカラオケ作りにも使えるか

YouTubeには、AIが演奏も歌も担当したバンドのカバー動画が上がっています。好きな曲をこの方法で作り直せば、自分が歌うためのカラオケも作れるのではないでしょうか。

しかし、「AIカバー曲の作り方」で調べると、出てくるのは、AIに別の声で歌わせる方法ばかりです。伴奏のアレンジを変える方法は、あまり見つかりません。

AIのバンドカバーは、音楽生成AIの機能を使えば作れます。カラオケにするまでの手順を、やる順に並べます。

目次

作りたいのが「声の差し替え」か「アレンジの作り直し」かを決める

「AIカバー」と呼ばれているものには、2つの種類があります。以下のとおりです。

比べる点声を差し替えるAIカバーアレンジを作り直すAIカバー
AIが変えるもの歌っている声伴奏の楽器とジャンル
変わらないもの伴奏メロディ
使う道具声を変換するAI(TopMediai、Musicfyなど)音楽生成AIのカバー機能(Sunoなど)
カラオケに使えるか使えない(伴奏は原曲のまま)使える(ボーカルを外せば伴奏が残る)

バンドの編成やジャンルごと変わっているカバー動画は、アレンジを作り直す方法で作られています。好きな曲をエレクトロニカにしたり、音数を減らしたりしたいなら、こちらを使います。

音楽生成AIのカバー機能に、曲と新しいスタイルを入れる

アレンジを作り直す道具を決めたら、曲を入れます。Sunoの場合、カバー機能はメロディを残したまま、曲を別のスタイルに作り直す機能です(Suno公式ブログ)。有料のProプランとPremierプランで使えます。

  1. 曲の音源をアップロードする
  2. 曲のメニューから、カバー(Cover Song)を選ぶ
  3. スタイルの欄に、作り直したいジャンルと、音数を少なくする指定を書く(例:minimal electronica, sparse, soft synth)
  4. 生成された候補を聴き比べ、メロディが崩れていないものを選ぶ

スタイルの欄に「sparse」「minimal」のような音数を減らす語を入れると、歌の邪魔をしない伴奏ができやすくなります。1回で決まらなければ、同じ曲で何度か生成して選びます。

できた曲をパートごとに分けて、ボーカルを外す

作り直した曲にはAIの歌声が入っているので、次に歌声を抜きます。Sunoには、曲をボーカル、ドラム、ベース、キーボードなどのパートに分けて書き出す「Get Stems」があり、自動で分ける場合は最大12パートになります(Sunoのヘルプ)。Proプラン以上で使えます。

ボーカル以外のパートを書き出せば、それがそのまま自分用のカラオケ音源になります。伴奏を1本のファイルでほしい場合は、Moisesなどの、ボーカルと伴奏を分けるAIに作り直した曲を入れると、「ボーカル」と「伴奏」の2本に分かれます。

YouTubeで歌って配信するなら、配信ソフトで伴奏と歌を重ねる

できた伴奏で歌って配信する場合は、無料の配信ソフトOBS Studioを使います。伴奏のファイルとマイクを別々の音声として読み込み、1つの配信にまとめられます。

  1. OBS Studioのソースに、伴奏のファイルを「メディアソース」として追加する
  2. マイクを「音声入力キャプチャ」として追加する
  3. 音声ミキサーで、伴奏より歌が少し大きく聞こえるように音量を調整する
  4. 歌詞を「テキスト」ソースで画面に出す

配信を始める前に一度録画して、伴奏と歌の音量の差を聴いて確かめます。

アップロードが通らないときは、MIDIから伴奏を作る

市販の曲は、カバー機能にアップロードしても通らないことがあります。Sunoは、著作物を含むと判定した音源を受け付けないためです。

通らない場合は、原曲を音楽生成AIにアップロードせず、手元のパソコンで曲からメロディとコード進行をMIDIのデータに起こし、そのMIDIから伴奏を作ります。使う道具は、無料で公開されている2つです。

  1. Metaが公開している分離AI「Demucs」で、曲をボーカル・ドラム・ベース・その他の4つに分ける
  2. Spotifyが公開している「Basic Pitch」に、分けたボーカル・ベース・その他のパートを入れてMIDIにする(ボーカルがメロディ、ベースとその他がコードの元になる)
  3. GarageBandなどの音楽制作ソフトにMIDIを読み込み、パッドやベースの音色を選んで書き出す

MIDIから作ると、メロディとコードは原曲に沿った形になります。自動で起こすので細かい音はずれることがあり、聴いて気になるところだけ直します。

分離からMIDI化まで、AIにまとめて頼む

1から3の作業は、ファイルを扱えてプログラムを実行できるAIに、まとめて頼めます。曲のファイルを渡し、「ボーカルを分けてMIDIにし、音数の少ないエレクトロニカの伴奏を作って、ガイドメロディありとなしのWAVで書き出して」と指示します。

この方法だと、自分でやる作業は曲のファイルを渡すことと、できた伴奏で配信することだけになります。ただし、AIがプログラムで鳴らすシンセの音はシンプルなので、作り込んだ音がほしい場合は、MIDIを音楽制作ソフトで鳴らし直します。

よくある疑問

Q:カバー機能を無料で使う方法はありますか。

A:Sunoのカバー機能とパートの書き出しは、どちらも有料プランの機能です。無料で済ませたいなら、DemucsとBasic PitchでMIDIを作る方法を使います。どちらも無料で公開されています。

Q:AIで作った伴奏で歌って、YouTubeで配信してもよいですか。

A:曲によっては、権利者が二次創作のガイドラインを出しています。配信する前に、その曲のガイドラインを確認してください。

まずは1曲、カバー機能に入れてみる

AIのバンドカバー動画と同じ方法で作り直してからボーカルを外せば、伴奏を一から打ち込まなくても、好きな曲のカラオケが作れます。まずは好きな曲を1曲、音楽生成AIのカバー機能に入れて、音数の少ないスタイルで作り直してみてはいかがでしょうか。

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