AI最新動向
OpenAI、EUのAI法に合わせてChatGPTとCodexの文章に見えない透かしを入れる APIでは世界で任意に有効化
10月5日(米国時間)公表、OpenAIのX告知は10月6日2時42分(JST)。EUのAI法が生成AIの提供者に、生成した文章を機械で判別できるようにすることを求めているのに対応する。APIの利用者は同日から世界で一部のモデルに文章の透かしを任意で有効にでき(既定は無効)、EU域内ではChatGPTとCodexの対象となる出力に今後数週間で見えない透かしを入れる。透かし技術「textGrain」は単語の選び方に統計的な信号を加える方式で、検出器の利用は当面、審査を通った研究者と専門機関に限る。誤検出率1%に設定した評価では、200トークンの文章で約80%、400トークンで約95%を検出したとし、短い文章ほど検出が難しいと自ら認めている。オープンソース化も予定している。OpenAIのX告知 https://x.com/OpenAI/status/2107164650249101695
透かしの有無で「AIが書いたかどうか」を判定する運用が、技術の限界を開発元自身が明示したうえで制度として始まる点
OpenAIのCodex責任者、GPT-6 AstraとGPT-6.1 Solの既定の応答速度を約50%速くしたと公表 「28日間、毎日改善を出す」の1日目
10月6日2時20分(JST)、OpenAIのティボ(Tibo)氏が投稿。ChatGPTのサブスクリプションと、「Sign in with ChatGPT」でつなぐ外部サービス(OpenCode、Pi、Amp、Devinなど)の全体で、利用者側の変更なしに2時間以内に反映されるとした。同氏は10月5日5時33分(JST)に「今後28日間、毎日、Codex/Workの大半の利用者に関係する明確な改善を1つ出すか、利用枠のフルリセットを出す」と宣言しており、その初日の分。
関連報道:https://www.itmedia.co.jp/aiplus/article/2610/05/2000001997/
新モデルではなく、既存モデルの速度と利用枠を日替わりで改善して利用者をつなぎ留める打ち方
OpenAI、ChatGPT広告に画像の新しい形式と効果測定を追加 WeightWatchersの獲得単価は有料検索広告の基準より15.3%低かったと公表
10月5日(米国時間)公表。ChatGPTの週間利用者は12億人とし、画像生成の最中に表示する画像型の広告を今月後半から米国で一部の広告主と試す。広告は明示し、生成中の画像とは分け、回答の中身には影響させないとしている。Hightouch、Tealium、LiveRampとの連携で広告主の既存の仕組みから成果データを送れるようにし、AppsFlyerなど計測各社にも対応した。計測会社DV Rockerboxによれば、WeightWatchersのChatGPT広告の獲得単価は有料検索広告を合わせた基準より15.3%低く、WorkMagicの計測では健康ブランドDoseの追加購入の67%が新規客、Triple Whaleによれば革製品のPortland LeatherのChatGPT広告経由の訪問者の93%が新規だったという
検索広告に払っていた集客の費用が、AIの回答画面の広告へ移り始め、その効果を広告主の既存の計測で比べられるようになった点
AIエージェント「dots」に、削除・上書き・外部送信の前に必ず承認を求めさせるカスタムルールの文面
10月4日10時50分(JST)投稿。OpenAIの常時稼働エージェント「dots」のカスタムルールに、次の4行を最低限入れておくよう勧めている。「削除(ゴミ箱移動含む)、既存内容を失う上書き、一括変更は、対象・件数・理由・影響・復元方法を示して事前承認を得る。復元用の控えがない破壊的変更は実行しない」「再帰的な強制削除は実行せず、私に引き継ぐ」「外部送信・公開は、宛先・公開範囲・送信内容を示して事前承認を得る」「承認済みの対象と操作は再確認不要。ただし範囲や影響が変われば再承認を得る」。既定の設定内容は返信に載せている。前日には、dotsの作業を受付・待機・作業中・確認・障害・完了で見える化するダッシュボードも勧めていた https://x.com/tetumemo/status/2106374605762118011
文面をそのまま貼れば使える一方、ルールを守るかどうかはエージェント側の挙動次第で、権限そのものを絞る設定の代わりにはならない点
URLを渡すと既存のWebサイトをNext.jsのアプリとして作り直させる無料の雛形「AI Website Cloner Template」
GitHubのスター数は3万5880(10月6日時点)。Claude CodeとOpus 5.5で最も良い結果が出るとし、Codex、Cursor、OpenCodeにも対応する。使い方は、エージェントに「このリポジトリを新しいフォルダに独立したプロジェクトとして用意し、依存関係を入れて npm run check を実行して」と貼るところから始める。ChromeのMCPでブラウザからフォント・色・構造を読み取って再現する。紹介:alex氏(@alextalksai)が10月5日15時(JST)に動画つきで紹介 https://x.com/alextalksai/status/2106987864751743098
自社サイトの作り直しや試作の下地には使えるが、他社サイトの見た目や文章をそのまま写せば著作権の問題になる点
1枚のイラストから、まばたき・口の動き・首振りをするLive2D風のアバターを作るツール「Mesh Avatar Studio」が公開 Claude CodeやCodexから使う
10月4日12時52分(JST)、AITuber OnAirの開発者のshinshin86氏が公開。絵を渡すとコーディングエージェントが下地を作り、ずれた所は手元のエディタで点をドラッグして直す。ソースは https://github.com/shinshin86/mesh-avatar-studio にあり、Node.js 22.17以上で npm install と npm run dev で付属の見本を開ける。GitHubのスター数は239(10月6日時点)
動くキャラクターの制作を外注せずに試せる一方、仕上がりは元の絵とエディタでの手直しに左右される点
有識者の受け止め
ゲイリー・マーカス(認知科学者)、ニューヨーク市議会のAI公聴会で「AIにFDAのような審査制度を」と証言へ 独立した第三者の検証を求める条例案を支持
10月5日11時35分(JST)公開。5日(米国東部時間)のニューヨーク市議会のAI政策の公聴会で証言するとして、その要旨を載せた。「今のAIは陶器店の中の雄牛のようなもので、強力で見事だが制御が難しい」とし、「何よりも必要なのは、AIの開発者がソフトウェアを独立した審査に出す、FDAのような規制の仕組みだ。開発者は新製品の便益が危険を上回ることを示す義務を負い、示せなければ市場に出せないようにすべきだ」と書いた。ワシントンの現政権は大手IT企業と深く結びついて何もしようとしないとし、市が第三者による検証の条例案と内部告発者の保護を進めるよう求めた。冒頭では、サム・アルトマン氏が「技術の便益と人々の主体性のために、世界はいくつかの悪いことが起きるのを受け入れるべきだ」と述べたとするPoliticoの報道を挙げている
連邦政府が動かないなかで、大市場を抱える都市の条例で開発企業に事前の審査を課そうとする動き
アンドリュー・カラン(AI動向の論者)、「規制は間に合わない。2029年より前に変わることはない」
10月6日3時11分(JST)投稿。アンソロピックを辞めたジェイコブ・コクソン氏が、インタビューで「長く在籍し会社の軌道をよく知る研究の責任者たちは、2027年は物事が狂ったように変わる年だと一貫して言っている。政府の規制が間に合うとも、国際協力が可能になるとも期待していなかった」と語ったのを引き、「同意する。私は1月に、2026年は振り返れば最後の普通の年と見なされると予測した。(壊滅的な事故寸前の事態がない限り)規制の面で何かが変わるのは早くても2029年で、それでも影響を与えるには遅すぎる。私の意見では、来夏までに本物の再帰的な自己改善(RSI)が実現する」と書いた。歩調を緩めるべきだと訴える人々に対しては「あなたたちには時間がない。研究所は今や3か月後の能力さえ予測できない」とした。
上のマーカス氏が規制の仕組みを求めるのに対し、規制が追いつく前に技術が先に進むという見方
イーサン・モリック(ウォートン校教授)、「AIを使える人があなたの仕事を奪う」という助言に「もうそれほど真実ではない。組織の仕組みがAIの効果を詰まらせている」
10月5日10時10分(JST)投稿。マーク・キューバン氏の「AIはあなたの仕事を奪わない。あなたよりAIの使い方を知っている誰かが、あなたの仕事を奪うだろう」という投稿を引用し、「この助言はもうそれほど真実ではないと思う。1) AIが使いやすくなるにつれ、『AIをうまく使う』ことの裏にある長く通用する技能が何なのかははっきりしない。2) AIの効果を詰まらせているのは、ますます個々の働き手ではなく組織の仕組みのほうだ。3) 仕事への影響は不確かだが、職種全体に及ぶかもしれない」と書いた。
個人の使いこなしを競わせるより、業務の流れと決裁の仕組みのほうを変えないと効果が出ないという見方

