電子ドラムは、モジュールを2つ使って、1つのキットとして鳴らすこともできます。
しかし、モジュールが2つあると、どの端末(パッド)をどちらのモジュールにつなぐかで迷います。どうつなぐとよいのでしょうか?
タム系とシンバル系で、つなぐモジュールを分ける
モジュールが2つあるときは、タム系とシンバル系を別々のモジュールにつなぐと、音の調整がしやすくなります。この記事では、キック、スネア、タムの太鼓をまとめてタム系と呼びます。
私はローランドのV71とV31の2台の音を、Apolloというオーディオインターフェースで受けています。タムは8つあり、ハイハットとライドはUSBでつなぐデジタルパッドです。この組み合わせなら、次のように分けられます。
| モジュール | つなぐもの |
|---|---|
| V71(タム系) | キック、スネア、タム8つ、ハイハット、ライド |
| V31(シンバル系) | ハイハットとライド以外のシンバル(クラッシュなど) |
ハイハットとライドは、シンバルでもタム系のV71につなぐ
デジタルパッドのハイハットとライドは、2枚ともV71につなぎます。ローランドのV71の仕様とV31の仕様によると、デジタルパッドをつなぐUSBの入力は、V71に3つ、V31に1つです。V31には、デジタルパッドを2枚つなげません。
8つのタムも、すべてV71につなぎます。V31でタム用と書かれている入力は、多芯の端子の中の3つと、4つ目のタム用の端子1つの、合わせて4つです。V71には、パッドを1つずつつなぐ端子が14あります。
ほかの機種の組み合わせでも、デジタルパッドの入力の数、タム用の入力の数、個別の出力があるかを2台で比べれば、どちらをタム系にするかが決まります。
タム系とシンバル系を分けると、太鼓とシンバルの音量の比をフェーダー2本で決められる
タム系とシンバル系の音を別々のモジュールから出すと、太鼓とシンバルの音量の比を、Apolloのフェーダー2本で決められます。生ドラムを録音するときも、同じように太鼓とシンバルの音を分けて録ります。
生ドラムの録音では、太鼓のすぐ近くに置くマイクと、キットの真上に置くマイクを使います。マイクメーカーのShureは、ドラムの録音の解説で、真上のマイクは主にシンバルを録るために使うと書いています。太鼓の近くのマイクは、太鼓の音を1つずつ分けて扱うためのものです。
太鼓とシンバルでは、かける処理が違う
タム系とシンバル系を別の出力で受けると、太鼓に合わせた処理をシンバルにかけずに済みます。同じ出力にまとめると、片方に合わせた処理が両方にかかります。
Shureのドラムの録音の解説は、太鼓の近くにもマイクを置くときは、真上のマイクの音から低い音を大きく削り、低い音は太鼓の近くのマイクで録ることが多いと書いています。太鼓の側では低い音とアタックを作り、シンバルの側では低い音を削って高い音を整えます。
V71には個別の出力が8つあり、キックやスネアなどの音を別々に出せます。8つに収まらない音は、いくつかをまとめて出します。V31の出力はステレオの1組だけです。
1つずつ処理したい太鼓をV71に、まとめて処理できるシンバルをV31につなぐと、2台の出力を無駄なく使えます。
V71は、リファレンスマニュアルによると、パッドごとにどの個別の出力から出すかを選べます。V71につないだハイハットとライドを、太鼓とは別の個別の出力から出せば、シンバルの側の処理にまとめられます。
私は、音色を買い足すよりも、今ある音をエフェクトで調整するほうが大事だと考えています。タム系とシンバル系を分けておくと、その調整を太鼓とシンバルで別々に進められます。
Apolloでルームをかけるなら、なおのこと分ける価値がある
部屋の響き(ルーム)をApolloでかけるなら、ルームの量を太鼓とシンバルで別々に決められます。太鼓とシンバルが、別々の入力としてApolloに入ってくるからです。
モジュールの中でかけるルームは、2台それぞれの中でしかかかりません。V71のルームは、V31の音にはかかりません。2台の設定がずれると、太鼓とシンバルが別の部屋で鳴っているように聞こえることがあります。Apolloで2台の音の両方にルームをかければ、2台の響きを1つの部屋の響きにそろえたうえで、その量を太鼓とシンバルで変えられます。
私は、Apolloでルームをかける前提で、2台の音を受けています。
モジュールが2つあるなら、タム系とシンバル系で分けてつなぎ、太鼓とシンバルの音量とルームを別々に調整してみてはいかがでしょうか。
