AI最新動向
中国Moonshot AI、総パラメータ2.8兆の「Kimi K3.1 Pro」の重みをHugging Faceで公開 100万トークンの文脈長、画像も扱えるエージェント向けモデル
11月5日0時51分(JST)、アンドリュー・カラン氏が「Kimi K3.1 ProのウェイトがHugging Faceに載った」と伝えた https://x.com/AndrewCurran_/status/2118008152474222701 。モデルカードによると、Kimi K3をもとに数百の分野で強化学習をかけたK3.1系列の最初のモデルで、総パラメータ2.8兆、1回の処理で動くのは1040億の混合エキスパート(MoE)型。文脈長は100万トークンで、コーディング、3D制作、金融の調査、事実の正確さなどを改善したとしている。引用元のフロリアン・ブランド氏は、利用条件を「MaaS(モデルのサービス提供)+売上に応じた制限つきのライセンス」と書いた
最先端級の規模のモデルが重みごと公開され続けている点。売上の大きい企業には制限がかかる形の公開
アップル、刷新版のSiri「Siri AI」とアプリの連携をすべての開発者に開放 話しかけるだけで予約・注文・配送確認などをアプリに実行させる
11月3日(米国時間)、開発者向けニュースで発表した。同日公開のiOS 27.3などのベータ版で、どの開発者も自分のアプリをSiri AIにつなげる開発者プレビューを始めた。アップルの「App Intents」を使い、アプリを開かずに話しかけるだけで配送状況の確認、レストランの予約、商品の注文などができるようにする。複数の操作を組み合わせる「skills」も入れる。Siri AIは日本語を含む6言語に対応し、一般の利用者に届くのは数か月後、App Storeでの対応アプリの申請受付は2027年春から。サーバー側のモデルを使う一部の機能には1日の利用上限があり、将来は有料で枠を広げられるようにするという。関連報道: https://www.itmedia.co.jp/news/article/2611/04/2000002855/
利用者がアプリの画面を開かず、音声アシスタント経由で予約や注文を済ませる経路が、iPhoneの標準機能として広がる点
OpenAI、Codexアプリのファイル閲覧と差分表示の部品を作るPierre Computer Companyを買収すると発表
11月4日(米国時間)発表。Pierreはコードの保管サービス「Code Storage」と、オープンソースの開発者向けツール群を作る会社で、Codexアプリでファイルを見たり変更点を確かめたりする画面には、すでに同社の「Trees」「Diffs」が使われている。OpenAIは今週、社内の技術者とエージェントのための独自のソース管理基盤「Pando」を公表しており、Pierreのチームと、エージェントが並行して大量のコードを書く時代に合わせてGitの作業の流れを作り替えるとした。買収額は記事に書かれていない
AIが書いた大量のコードを人が確かめる「レビュー」の道具が、開発元の囲い込みの対象になっている点
動画・画像・音声のAIモデルを動かす基盤のfal、13億ドルを調達し企業価値160億ドルに 4月の80億ドルから倍増
11月3日(米国時間)、TechCrunchがブルームバーグの報道として伝えた。ベッセマー・ベンチャー・パートナーズが主導し、NVIDIAやT・ロウ・プライスなどが参加した。falはシリーズEとFを同時に公表し、2回の合計は16.5億ドル。学習済みのモデルを動かして出力を作る「推論」の需要、とくにオープンなモデルを使う顧客からの需要が急増しているという
AIへの投資が、モデルを作る会社から、モデルを動かす基盤を貸す会社へも広がっている点
Opus 5.5・Flux 3 Max・GPT Image・Tripo・Blender・Three.jsを組み合わせ、24時間でブラウザで遊べる3Dのアクションゲームを1本作った
11月4日9時29分(JST)投稿、動画と手順のスレッドつき。手順は、(1)falのFlux 3 Maxで見た目・世界・キャラクターの参考になる動画を作る、(2)動画のスクリーンショットからBlenderで素材を作り直し、Claude Codeで複数のエージェントに並行して組み立てと確認をさせながらThree.jsに配置する、(3)キャラクターのスクリーンショットからGPT Imageで4方向の図を作り、Tripoで3Dモデルにして、Opusに布の動きとアニメーションを付けさせる、(4)試作を遊んで動くことを確かめる、(5)GPT Imageでステージごとに最大8枚のコンセプトアートを作り、(6)それぞれを遊べる3Dのステージにさせ、遊んでは不具合を伝えて直させるのを繰り返す。完成したゲームは xikhar.github.io/sumiro で公開されている
画像生成・3D化・コード生成の道具を工程ごとに使い分け、人は遊んで不具合を伝える役に回る形。素材の権利と、各サービスの利用料は利用者側に残る
Claude CodeやCodexに「/wiki 調べたい言葉」と打つと、日本語版ウィキペディアの書式どおりの記事を調べて書き出す無料のスキル「wiki-style-article」
11月2日14時25分(JST)、作者のYSR氏が公開した。題材を人物・出来事・製品・概念など19の基本の型と29の細かい種類に振り分け、最大8つのサブエージェントに観点ごとの調べものをさせて、出典つきの事実を集める。書き出すのは、導入部・Infobox・目次・脚注・関連項目・カテゴリを備えたHTML1枚とウィキテキスト。確かめられなかった事実には本家と同じ[要出典]の印を付ける。Python 3.11以上(またはuv)と、Web検索ができる環境が要る。Claude Codeでは「claude plugin marketplace add YSRKEN/wiki-style-article」の後に「claude plugin install wiki-style-article@wiki-style」で入る
調べものを複数のエージェントに分けて出典つきでまとめさせる型を、そのまま持ち帰れる点。ウィキペディア財団とは無関係の非公式の道具
米中間選挙と同時に行われた地域の住民投票で、データセンターの建設禁止・凍結・規制を求める案がほぼ全勝 NBCの出口調査では有権者の56%がAIとデータセンターを投票の重要な判断材料に挙げる
11月4日、Quartzが、Semafor と Stateline の集計をもとに報じた。9州の30以上の市町村で、データセンターの禁止、一時停止、電力使用量の上限、着工前の住民投票の義務づけなどの案が可決または優勢で、3日夜の時点で33件が可決か優勢、建設を後押しする結果はノースダコタ州の1件だけだった。フロリダ州エッジウォーターは市の憲章を改めてデータセンターを禁じ、オハイオ州では21の自治体が計画中のデータセンターを止めるための住民投票を行った。反対の理由は、電気代、汚染、水の使用、騒音、農地の転用など。アンドリュー・カラン氏は、ブラッド・カーソン氏の「結果が出そろった。データセンターのモラトリアム(さまざまな種類)は43対1で可決」という投稿を引いて、「全面停止への支持は平均77%。米国のAIへの世論は3年間下がり続け、再び最低を更新した」と書いた https://x.com/AndrewCurran_/status/2117997187586314286
計算基盤の拡大が、電気代と土地の問題として住民投票で止められ始めた点。党派を問わず反対が広がっている点
Anthropic、AIの応答が本当にそのモデルから出たものかを暗号技術で証明する「FlashProve」を公開 4000億パラメータ級のモデルでもH100 1枚で毎秒約110トークン分の証明を作れる
研究ページは11月2日付、公式Xでの告知は11月4日5時10分(JST)。同社のフロンティア・レッドチームとEPFL・MITなどの研究者による。今の利用者は、開発元が言うモデルが本当に応答しているのか、費用削減のために中継業者がこっそり別のモデルに差し替えていないか、攻撃者が途中で書き換えていないかを確かめられない。FlashProveは「zkSNARK」と呼ばれる暗号の証明を使い、提供者がモデルを固定したうえで各応答がそのモデルから出たことを証明できるようにする。Llama 4 Maverick(4000億パラメータ)で、H100 1枚が毎秒約110トークン分の証明を作り、証明の大きさは1024トークンあたり約19MB。改良の多くはClaudeが生み出したという。コードはGitHubで公開した https://github.com/anthropics/FlashProve 。関連報道: https://techcrunch.com/2026/11/03/anthropic-is-working-on-a-system-to-prove-ai-models-identity/
安全性の評価に出したモデルと、実際に客に出しているモデルが同じかを、外部が確かめられるようにする道具。AI規制の順守の確認に使える可能性
有識者の受け止め
ピーター・ワイルドフォード(予測分析)、アルトマン氏の「人は未来の支配権を超知能に譲ってはならない」に「超知能を作っている張本人が、支配権を譲り続けながら言っている」
11月5日1時36分(JST)投稿。サム・アルトマンCEOは11月4日10時40分(JST)、「人は常に未来を支配しているべきだ。OpenAIは、人が『AIシステムが人間に報いる価値があると考えること』をするだけの役割に追いやられてもよいという考えに反対する。人は未来の支配権を超知能に譲ってはならず、その条件は最終的にAIの進歩を制約すべきだ」と書いた https://x.com/sama/status/2117794005165748448 。ワイルドフォード氏はこれを引用し、「『人は未来の支配権を超知能に譲るべきではない』と、超知能を作り、それに支配権を譲り続けている男が言う」と書いた
開発の先頭に立つ企業のトップが「AIの進歩を制約すべき」と言うことと、実際の開発の速さとの食い違いへの批判
アーヴィンド・ナラヤナン(プリンストン大学教授、計算機科学者)、「AIリテラシーは、プロンプトの技術より、感情の調整に重点を置くべきかもしれない」
11月4日21時51分(JST)投稿。「AIと一緒に働くには、正気を保てるぎりぎりの状態で動き続けることが求められる。数か月ごとに、AIの能力と自分の仕事の中身についての見立てを作り直さなければならない。しかも、果てしなく見える生産性の伸びに浮かれず、自分の仕事の人間らしい部分を失うことに脅かされず、エージェントのぎこちなさや粗さに苛立ちを募らせず、最適な設定にとりつかれず、心を病まずにだ」と書いた
AIを使う側の負担を、操作の技術ではなく気持ちの持ちようの問題として捉える見方。社内でAIを広げるときの教え方の論点
アンドリュー・カラン(AI動向の解説者)、民主党の中間選挙での大勝でも「AIの凍結法や超知能の禁止法が成立する見込みは現実的ではない」
11月5日2時58分(JST)投稿。「昨夜の民主党の大勝で、『AI凍結法』やサンダース上院議員の超知能禁止法のようなものが可能になったという考えは、現実的ではないと思う。仮に可決されてもトランプ大統領は拒否権を使い、民主党にはそれを覆す3分の2の多数がない。共和党が十分に造反して拒否権を覆すというあり得ない筋書きでも、大統領は、国家安全保障を守る最高司令官としての憲法2条の権限を違憲に侵すとして、AI凍結法の執行を拒むだろう」と書いた
世論と地域の住民投票がAIに厳しくなっても、連邦の法律で開発を止めるところまでは届かないという見立て
AI活用事例
Perplexityが顧客事例として公開した(公式Xでの告知は11月5日2時39分(JST))。平均の注文額が約250ドルの高級通販で、Meta広告の運用(素材の作り替えやA/Bテスト)に手間がかかっていた。Computerに3万ドルの広告費の運用を任せ、素材の分析、広告の制作、出稿の買い付けまでを自動化したところ、代理店の運用を上回り、広告費2.1倍に対して売上は3.5倍、広告費用対効果(ROAS)は63%高く、顧客1人を得る費用は14%下がったという
中小の事業者が、広告代理店に払っていた運用の仕事をAIエージェントに置き換えた形。数字はベンダー自身の発表によるもの


