契約途中で派遣社員の公休日を増やす場合の注意点とは?

契約の途中で派遣社員の公休日を増やすときに、派遣先が気をつけることは4つです。

しかし、派遣社員本人から「休みを増やしたい」と言われ、派遣先が了承した場合でも、派遣元から休業手当の分を請求されることはあるのでしょうか。

目次

派遣先から休むよう勧めない

派遣先から休むよう勧めると、派遣先の都合で派遣社員を休ませたことになります。その日の休業手当は派遣元が払い、その分を派遣先が派遣元から請求されます。

派遣社員に休業手当を払うのは、雇い主である派遣元です。労働基準法第26条は、使用者の責に帰すべき事由で労働者を休ませた場合、使用者が平均賃金の6割以上を休業手当として払うよう定めています。派遣社員の場合、責任があるかどうかは派遣元の側で判断すると、厚生労働省の通達「派遣労働者に係る労働条件及び安全衛生の確保について」(2009年3月31日)が示しています。

派遣先の都合で休ませた場合に派遣先が派遣元へ払う額は、厚生労働省の「派遣先が講ずべき措置に関する指針」が定めています。派遣先の都合で派遣契約を途中で解除した場合、派遣先は、派遣元が派遣社員を休ませたことで生じた損害を、休業手当に相当する額以上で賠償することになっています。就業日を減らす場合も、派遣先の都合で働けない日ができる点は解除と同じです。大手の派遣会社にも、派遣先の都合で休みにした分を派遣先に請求すると案内しているところがあります。

以下のとおりです。

比べる点派遣先の都合で休む本人の申し出で休む
休みを希望した人派遣先派遣社員本人
派遣元の休業手当平均賃金の6割以上を払う払う義務はない
派遣先への請求休業手当に相当する額以上を請求される休業手当の分を請求される理由がない

休みを希望したのが本人だと記録に残す

本人が自分の希望で休む日は、労働基準法第26条の「使用者の責に帰すべき事由」による休業に当たりません。そのため、派遣元に休業手当を払う義務はありません。

あとで派遣社員本人や派遣元から「派遣先に休めと言われた」と言われても説明できるように、休みを希望したのが本人だと記録に残します。私は、派遣社員本人からチャットで相談を受けました。そのやりとりが、そのまま記録になりました。

派遣先からの返事では、休みにしても業務に支障がないかを伝え、休むかどうかは本人に決めてもらいます。

休業手当に当たるかどうかは、実際に誰の都合で休んだかで判断されます。派遣先に仕事が足りず休ませたいのに、本人が希望した形に書き換えても、派遣先の都合で休ませたことに変わりはありません。その場合は派遣元に相談し、休業手当に相当する額を負担する前提で話を進めます。

派遣元への連絡は本人にしてもらう

就業日を変えるには、派遣元と派遣先が結んでいる派遣契約を変える必要があります。労働者派遣法第26条第1項は、派遣契約で「派遣就業をする日」を定めるよう求めています。

派遣元への最初の連絡は、本人にしてもらいます。本人から伝われば、本人の希望で就業日を変える話だと、派遣元にそのまま伝わります。本人が伝える内容は、次の2つで足ります。

  • どの曜日を休みにしたいか
  • 派遣先も了承していること

公休日を増やすと決める前から、派遣社員に仕事の予定が入っていた日があれば、その日だけ短い時間出勤するかどうかも、本人から派遣元に伝えてもらいます。派遣元から確認の連絡が来たら、派遣先は了承していることを答えます。

よくある疑問

Q:本人の申し出で休みを増やしても、派遣料金を請求されることはありますか。

A:派遣契約の就業日を書き換えれば、休みの日の料金はかからないはずです。書き換えないまま休みが続くと、契約書の定めによっては、契約どおりの日数分を請求される余地が残ります。手元の派遣契約書で、就業日と料金の定めを確かめてください。

変更後の就業日を、派遣元と書面で確かめる

派遣元が就業日の変更を了承したら、派遣先は変更後の就業日を書面で確かめます。労働者派遣法施行規則第21条第3項は、派遣契約で定めた事項を、契約を結ぶときに書面に記載するよう定めています。就業日を変えたときも、変えたあとの就業日を書面に残してもらうのが確実だと思います。

契約書の書き方で判断に迷うときは、派遣元の担当者か社会保険労務士に相談してみてはいかがでしょうか。

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