AIエージェントに、日本語のテキストで書いた手順書を渡しました。打ち合わせで着手を決めて、2営業日後には動作確認が終わっています。同じ案件で、委託先は1か月と言っていました。
納期の短縮を依頼する方法は、調べればすぐ出てきます。契約の変更だと認識する。「可能でしょうか」と可否を聞く形にする。理由を添えて、具体的な日数を書く。この記事では、その頼み方は書きません。
書くのは、送る前にやることです。相手が言った日数を、相手が手を動かす時間と、相手も待っている時間に分けます。分けると、頼んで動く範囲と、頼んでも動かない範囲が決まります。
丁寧に頼んでも、納期は変わらない
まず、頼んだ分がどこへ向かうのかを見ます。向かうのは、相手が手を動かしている時間です。
相手が手を動かす時間は、今回の案件では1件あたり20分でした。決まった条件で対象者を絞り、1件ずつ確認して送る作業です。この20分は委託先の申告なので、こちらで計り直したわけではありません。
1件20分の作業を少し詰めてもらっても、1か月は1か月のままです。削る先が、元から短いほうの時間だからです。
1か月と言われた中に、相手が社内の回答を待つ時間が入っていた
では、残りは何だったのか。委託先は1か月のあいだ、自社の社内回答を待っていました。委託先が「今週中」と言っていたのがこの待ちで、その期間は相手も止まっています。
手がかりは、相手の言葉に出ます。「今週中に確認します」「来週には回答が来ると思います」。主語が、相手の社内の誰かになっている一言です。
内訳を全部聞き出せるとは限りませんし、私も聞けていません。それでも、相手が待っている側だと分かった日数が1つでもあれば、その日数は相手の手元にはないと決まります。相手を急かしたくないという感覚は、正しいと思います。急かす対象が、相手の中にいません。
分けたあと、こちらが数えるのは承認と発注と日程調整の日数
次に、自分の側を数えます。2営業日で目処が立った案件では、社内承認も、実装の発注も、検証の日程調整も0件でした。作業の前後にあった待ちが、一度も発生していません。
数えるのは、この3つに何日かけているかです。見積もりを受け取ってから社内で承認が下りるまで。承認が下りてから発注するまで。発注してから検証の日程が決まるまで。相手の1か月とは別に、こちらの中で積み上がっている日数です。
相手の社内で回答を待っている日数には、こちらから手が入りません。頼んでも効く先がないので、そこを縮めようとするだけ時間が減ります。
ひとつ書いておきます。分けた瞬間に、相手が遅い側に見えてしまいます。こちらが数えたのは自分の側で何が消えたかだけで、相手の1か月の内訳は測れていません。1か月が相手にとって速いほうの見積もりである可能性も、否定はできません。
次に納期の短縮を依頼するときは、送る前に、相手が言った日数を2つに分けてみてはいかがでしょうか。相手が手を動かす時間と、相手も待っている時間。分けたあとに数えるのは、自分の側の承認と発注と日程調整に何日かかっているかです。

