AIエージェントに、経理へ出す請求書を集めさせる。Claudeで組んで人に残ったのは2つだった

毎月、経理へ請求書を出しています。管理画面を開いて、明細を印刷してPDFにして、添付して送る。この作業をClaudeに渡しました。渡せたのは、書類を取りに行くところと保存するところまでです。パスワードの入力と、社内へのメール送信は残りました。

経理でAIエージェントを使う話を調べると、どの製品を入れるかという記事が並びます。受け取った請求書を読み取って仕訳する側の話です。この記事は製品を比べません。自分が支払っているサービスの請求書を集めて経理へ出す手順を、決めた順に9つ書きます。

目次

AIに任せない作業を、先に2つ決める

渡さないのは、パスワードの入力と、社内へのメール送信です。

パスワードは、入力させた時点で認証情報を預けることになります。ログイン済みのブラウザを使わせて、入力そのものはさせません。メールの送信は、宛先を間違えても取り消せません。相手が社内の人なら、なおさら戻せません。

線を引く基準は、取り返しがつくかどうかです。ファイルを取ってきて保存する作業は、間違えても消してやり直せます。パスワードとメールの送信は、やり直せません。

走らせるのは、締めの書類が発行された翌日にする

書類が発行される日を調べて、その翌日に走らせます。

締めの書類は、月初の1日に発行されるサービスが多くあります。1日の朝に走らせると、前の月の書類しか出てきません。2日にすれば、前日に発行されたものが揃っています。

発行日はサービスごとに違うので、走らせる日は、いちばん遅いサービスに合わせます。

請求月と提供月がずれる書類は、どちらの月で保存するかを決める

前払いのサービスは、請求月と提供月が1か月ずれます。明細には、2026年8月ご請求分という行と、提供期間 2026年9月1日〜9月30日という行が、並んで書いてあります。

Claudeに明細を読ませると、両方の日付を拾ってきます。どちらの月で保存するかを先に決めておかないと、同じ書類が8月にも9月にも現れます。

決め方は、保存先にある去年からのファイルを見ることです。既にあるファイル名が提供期間の月を採っていれば、提供月に揃えます。

ファイル名の規則は、既にあるファイルから読み取る

規則を書いた文書は、たいてい存在しません。前の月まで手で付けていた名前が、そのまま規則になっています。

保存先のフォルダを開いて、去年からのファイル名を並べて読みます。日付の書き方も、サービス名の位置も、区切り文字も揃っているはずです。それをそのまま指示に書き写します。名前の付け方を新しく決め直すより、既にあるものに合わせたほうが、受け取る側でも探せます。

電子取引でやりとりした書類をデータで保存する場合、取引年月日と取引金額と取引先を検索の条件として設定できることが求められます。国税庁の電子帳簿保存法一問一答に書かれています。ファイル名にその3つが入っていれば、この条件はファイル名だけで満たせます。

PDFがダウンロードできない画面は、表示された内容からPDFを作らせる

請求書番号のリンクからPDFの直URLが取れるサービスなら、Claudeに認証つきで取得させて、ダウンロードフォルダへ落とせます。

取れないサービスもあります。明細が画面に表示されるだけで、ダウンロードのボタンがありません。印刷ボタンはありますが、押すとブラウザの印刷が開くだけで、その先はOSのダイアログです。Claudeはブラウザの中までしか手が届かないので、そこで止まります。

その場合は、画面に出ている内容を読み取らせて、同じ体裁のPDFを作らせます。金額も日付も画面に出ているので、書類としては足ります。

取ったファイルを保存先へ書き込めるのは、パソコンにつないだセッションだけ

Claudeには、クラウドの中だけで動くセッションと、手元のパソコンにつながったセッションがあります。

クラウド側から、パソコンの保存先には直接書けません。同期フォルダを見に行かせても、中身が空で返ってきます。書けるのは、パソコンにつないだセッションで、いったん手元へ持ってきてから書き込む経路だけです。

PDFを文字に変換して渡す経路も使えません。400KBのファイルでは、扱える量を超えます。ファイルはバイナリのまま運びます。

書類を取るところまでは、クラウドのセッションでも動きます。止まるのは保存のほうなので、最初の1回は保存まで通して確かめます。

同じ書類を2つ作らないために、走る前に保存先を見る

保存先にその月のファイルがあれば、そこで止まる。無ければ作る。この一行を指示に入れておきます。

入れておかないと、走るたびに同じ書類が増えます。手で消すことになります。

フォルダを触る許可は、走らせる予定を入れる時点で渡す

Claudeは、パソコンのフォルダに書き込むときに許可を求めます。画面の前にいれば押せます。

深夜に走らせる予定を入れておくと、その時刻に聞かれても答える人がいません。だから、予定を入れる時点で、どのフォルダを触ってよいかを渡しておきます。渡し忘れると、深夜に止まって、朝に気づくことになります。

途中で止まったことが、あとから分かる形にする

終わったときに、終わったと分かるものを残させます。

いちばん軽いのは、保存先にその月のPDFが揃っているかを見ることです。無ければ、どこかで止まっています。走った記録を1行残させておくと、取りに行けなかったのか、取れたけれど保存できなかったのかが分かります。この2つで、直す場所が変わります。

よくある疑問

Q:無人で走らせて、途中で止まったらどうなるのでしょうか。

A:止まったところから先が実行されないまま、そのセッションは終わります。通知は出ません。詰まりやすいのは保存の手前で、書類は取れているのに保存先へ書けていない状態です。取り直す必要はないので、翌朝に手元から書き込めば終わります。取りに行くところで止まった場合は、その月のうちに取り直します。日が変わると、画面の表示も変わることがあるからです。

経理へ出す書類でも、取りに行くところと保存するところだけなら、AIエージェントに渡せます。まずは1か月分を通して、どこで止まるかを見てみてはいかがでしょうか。

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