AI最新動向(2026年11月7日)

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AI最新動向

Anthropic、Claudeに家計管理の機能「Personal Finance」を追加 銀行・カードの口座を最大16行つなぎ、2年分の取引履歴から支出を整理する

11月5日(米国時間)に発表し、米国の「Pro」「Max」「Ultra」プランの利用者にβ版として順次提供する。金融データ接続サービスのPlaidを通じて最大16行の口座をつなぎ、残高と最大2年分の取引履歴をもとに、支出のカテゴリ別の集計、前月との比較、給料日までに残る金額の見通し、二重請求や想定外の手数料、少しずつ上がっていた料金の指摘、1年間に払った利息の合計などを答える。口座は読み取るだけで、資金の移動・管理・投資はできない。Claudeが受け取るのは銀行名、口座名、口座の種類、口座番号の下4桁、残高と利用限度額、取引履歴(金額・日付・店名など)で、銀行のパスワードは求めない。投資口座の保有銘柄やローンの金利・条件は含まない。関連報道:https://www.itmedia.co.jp/news/article/2611/06/2000002935/
年収・借入・支出という最も重い個人の情報を、汎用のAIアシスタントが日常的に読む入口ができた点。取引の説明に口座番号が丸ごと含まれる場合もあると開発元自身が書いている点

Thinking Machines、2世代目のモデル「Inkling 2 Small」を公開 総パラメータ5940億・動作170億の混合エキスパート型、外部の安全性試験を終えた来週に重みをApache 2.0で公開予定

11月5日(米国時間)発表、ミラ・ムラティCEOのXでの告知は11月6日8時45分(JST)。画像の入力と、考える量を調整できる機能に対応する。Artificial Analysisの総合指標で31点と、前の世代を大きく上回り、エージェントによるコーディング、画像の理解、知識労働、推論が伸びたという。まず同社の学習・推論の基盤「Tinker」で重みを閉じたまま提供し、外部の安全性試験とレッドチーミングが終わった来週、Apache 2.0ライセンスで重みを公開するとしている
重みの公開の前に外部の安全性試験を挟む、という段階を踏んだ公開の進め方

Google、動画生成の「Gemini Omni Flash 1.2」を公開 15秒の動画、カメラの視点の指定、会話を重ねた編集に対応し、価格は1.1より30%安い

11月6日2時11分(JST)、グーグルのローガン・キルパトリック氏が発表した(前回の窓の終わりの2時間に出た投稿)。動画の長さを15秒に延ばし、カメラの視点を細かく指定できるようにし、会話を何往復か重ねて編集できるようにした。映像の見た目が途中でずれていく現象も減らした。価格はOmni Flash 1.1より30%安い。同日5時3分(JST)には、Google Workspaceが、動画作成の「Google Vids」でこのモデルを使い、最大15秒のAI動画を無料で作れるようになったと告知した https://x.com/GoogleWorkspace/status/2118433926507118720
業務用の動画作成ツールに、無料の範囲で15秒の生成動画が入った点

Meta、上位モデルMuse Wonderで学習させた専門モデルを「Muse」と「Meta AI」に投入 目標に関わる情報の忘れが2.4分の1に

11月7日3時14分(JST)、Metaの公式アカウントが発表した。専門モデルには、前の情報がいつ効いてくるかを見分け、まだ有効なものと古くなったものを区別する「Active Memory」と、条件が変わったときに行き詰まりから立ち直ったり代わりの案を探したりする「Active Focus」が入る。Museでは、目標にとって重要な情報を忘れることが2.4倍減り、条件が変わる中での行き詰まりの解消が67%改善したという
長い作業の途中で前提を忘れる、条件が変わると止まる、というエージェントの弱点を名指しで直しに来た点

野村総合研究所、AIを使った開発で案件に入れる人員を減らし、4〜9月期の営業利益率が上期として初めて20%を超える

11月6日の日経クロステックの記事。NRIの2026年4〜9月期の連結決算は、売上収益が前年同期比8%増の4299億円、営業利益が12%増の882億円で、営業利益率は20.5%。国内のシステム開発案件や運用サービスの増加に加え、AIを使った開発(AI駆動開発)の進展で案件への人材投入を減らせたことが寄与したという。通期の業績予想も上方修正した。詳細は会員限定部分にあり確認していない
人の数と時間で売上を立ててきたSIerが、投入する人員を減らしながら利益率を上げる形に移り始めた点

Claude Opus 5.5にBlenderを操作させ、3D生成AIにほとんど頼らずに自分でモデリングさせた3Dの映像

11月6日14時53分(JST)投稿、動画つき。Opus 5.5にBlenderを使わせたところ、3Dモデル生成のTripoの使用も許可していたが使ったのは5%ほどで、ほぼ自分でモデリングしたという。文字など一部のテクスチャにはChatGPTを使い、質感(シェーダー)はほぼ数式で作る方式(プロシージャル)で仕上げた。音は効果音生成のHunyuanVideo-Foleyで付け、制作過程の動画もOpusに作らせた
3D生成AIで形を出すのではなく、言語モデルがBlenderの操作を組み立てて形を作る使い方。BlenderをAIから操作する設定の手順は投稿に書かれていない点

外部の評価機関METR、Anthropicの内部データを11週間調べ、AIの能力の伸びが約1.9倍に速まり、その約8割はAIを使った研究によるものと推定 7月時点で同社の早期警戒の基準を超えていた可能性も

11月5日(米国時間)公表、METRのXでの告知は11月6日4時台(JST)。8月12日〜10月29日、METRの2.5人分のスタッフが、未公開モデルのベンチマーク結果、学習の指標、社員への調査、社内の分析を閲覧し、Anthropicの研究者約15人に聞き取りをした。METRは同社から資金を受けていない。ベンチマークを束ねた指標の伸びは、2025年10月以降、2024年3月〜2025年10月の約1.9倍(年15ポイントから29ポイント)になり、2026年10月時点の加速のおそらく約80%はAIによるものと推定した。社員の声として「もうコードではなく、アイデアと計算資源だけが制約だ」が紹介され、10月の社内の簡易投票では最新の内部モデルで生産性が平均約12倍になったと答えたが、METRは「非常に緩い証拠」としている。同時に公表した、Anthropicの8月のリスク報告書への評価では、7月15日時点のモデルの直接の危険は低いとしつつ、同社の責任あるスケーリング方針が定める早期警戒の基準を「超えていた可能性は十分ある」とし、公開版の報告書は加速の度合いを過小に示していると指摘した。結論に重要な根拠の多くはAnthropicが黒塗りにした。リスク報告書への評価:https://metr.org/blog/2026-11-05-rd-section-anthropic-risk-report-august-2026-review/ 関連報道:https://the-decoder.com/metr-finds-anthropic-may-have-crossed-its-own-ai-acceleration-warning-threshold-back-in-july/ https://www.itmedia.co.jp/aiplus/article/2611/06/2000002938/
AIがAIの開発そのものを速めているかを、外部の機関が開発元の社内データで測った初めての報告。根拠の中心が黒塗りで、外部から検証できない点

OpenAI、データセンターを置く地域への約束を発表 電力と関連インフラの費用を全額負担し、公職者と原則として秘密保持契約を結ばない

11月5日(米国時間)、地域社会への約束「National Community Compact」と、連邦・州・地方政府への政策提言「Compute Campus Policy Blueprint」を発表した。今後所有・運営するデータセンター(呼び名を「Compute Campus」に変えた)ごとに地域と協定を結び、計画の初期段階から住民の意見を入れ、進み具合を毎年公表する。電力と必要なインフラの費用を全額負担し、計画の遅れや中止の費用を他の電力利用者に回さない。水を使わない冷却方式を優先し、施設ごとの電力・水の使用量と第三者による騒音調査の結果を公開する。公職者との秘密保持契約は、セキュリティ情報や企業秘密の保護に要る場合を除いて結ばない。ジョージア州エフィンガム郡では480万ドルで児童・生徒約1万4000人の学校給食を無料にする。関連報道:https://www.itmedia.co.jp/news/article/2611/06/2000002928/
中間選挙と同時の住民投票でデータセンターの規制案がほぼ全勝した直後に、電気代・水・騒音という反対の理由に一つずつ答える形で出してきた点

Google DeepMind、人の指導のもとでAIエージェントが、旧来の1024ビットRSA暗号の2つの大きな弱点を見つけたと発表

11月7日2時20分(JST)、公式アカウントが発表し、科学担当副社長のプッシュミート・コーリ氏が記事で詳しく説明した。AIエージェントが暗号の強さを試す研究(暗号解読)を速められることを示す研究で、人が方向を示しながら、モデルが1024ビットRSAの2つの大きな弱点を明らかにした。今の2048ビットの方式はこれらの弱点に対して安全なままだとしたうえで、「AIで数学と計算が進む時代に入り、計算が難しいという歴史的な前提にもう頼れない。暗号の標準を絶えず試し続けなければならない」と書いた
暗号の安全性を支えてきた「計算に時間がかかる」という前提を、AIが崩しうると開発元自身が認めた点

有識者の受け止め

サム・マキャンドリッシュ(Anthropic共同創業者)、METRの報告に「AIの進歩の速さは安全性の最も重要な問題の一つで、METRの仕事は社内で何が起きているかへの独立した外からの視点だ」 黒塗りは「他者の研究を速めうるため」

11月6日4時16分(JST)、同氏としてXで初めての投稿。「私はサム、Anthropicの共同創業者の一人で、安全性の取り組みの多くを率いている。今後数か月でこの取り組みについてもっと話す。まずMETRの最新の報告について考えを共有したい。モデルの能力の進歩の速さはAIの安全性で最も重要な問題の一つで、METRのこの仕事は、Anthropicの中でそれがどう起きているかについて、独立した外部の視点を一般に提供する」と書いた。黒塗りが多いとの質問には8時42分(JST)、「黒塗りなしの情報を公開すると他者が研究を加速させうるため、安全上の懸念が透明性の利点を上回ると考えた」と答えた https://x.com/Sam_McCandlish/status/2118489153147183237
加速が起きていること自体は認めたうえで、根拠を伏せる理由を「他社に真似させないため」とする研究所の内部からの説明

ゲイリー・マーカス(認知科学者)、同じ報告に「身体的に気分が悪くなる。Anthropicの中心の計画は、AIの能力の加速を続け、1年で数十年分の伸びを達成することだ」

11月6日18時0分(JST)投稿。「この報告と、私が信頼する人々(ジェイクのような)の反応で、身体的に気分が悪くなっている。私の理解する限り、Anthropicの中心の計画は、AIの能力の加速を続け、1年で数十年分のAIの能力の伸びを達成することだ。AIシステムを理解し制御する私たちの能力は非常に限られているのに」と書いた
開発元が加速を安全性の問題と言いながら、加速そのものを止めない点への批判

エリック・ブリニョルフソン(スタンフォード大デジタル経済ラボ所長)、「生産性の転換点に近づいている証拠が増えている。米国の生産性は前四半期に年率3.6%伸び、2007〜2019年の平均1.5%の2倍超」 イーサン・モリック(ウォートン校教授)が引用

11月5日23時28分(JST)投稿。「生産性に関する転換点に近づいているという証拠が増えている。前の四半期の米国の生産性は年率3.6%で伸びた。2007年から2019年の平均1.5%の2倍以上だ」と書いた。11月6日7時1分(JST)、イーサン・モリック氏が「生成AIの登場以前から、AIが経済に与える影響を最も注視してきた経済学者の一人」としてこの投稿を引用した https://x.com/emollick/status/2118463680295944665 。モリック氏は同日9時13分(JST)には、米国株の急落について「何年も書いてきたとおり、AI株が下がってもAIの軌道は大きく変わらない。AIは消えず、企業は導入を遅らせておらず、開発も遅れていない」と続けた https://x.com/emollick/status/2118497026329518238
株価と切り離して、マクロの生産性統計にAIの効果が出始めたと読む立場

ゲイリー・マーカス(認知科学者)、「昨日の2.5兆ドルの下落は悪い知らせの一部にすぎない。イングランド銀行の研究は、またしてもAIが期待された生産性の伸びにつながっていないことを示した」

11月6日22時55分(JST)、ニュースレターで公開した。「昨日の2兆5000億ドルの下落は悪い知らせの一部にすぎなかった。イングランド銀行の研究も、またしても、AIが人々の期待した生産性の伸びにつながっていないことを示した」と書き、今後の5つの予測を挙げた(予測の本文は有料部分にあり確認していない)。イングランド銀行の研究そのものは確認していない
同じ週の生産性を、AIの効果はまだ出ていないと読む立場。ブリニョルフソン氏・モリック氏と正反対の読み方

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