チャットAIとAIエージェントの違いは、2つあります。
AIエージェントに作業を任せると、人の仕事はなくなるのでしょうか。
チャットAIは質問に答え、AIエージェントは画面を操作して作業する
チャットAIとAIエージェントの違いは、何をするかと、誰が作業するかです。以下のとおりです。
| 比べる点 | チャットAI | AIエージェント |
|---|---|---|
| 何をするか | 質問に文章で答える | 画面を操作して作業する |
| 誰が作業するか | 人 | AI(手順書どおりに毎回動く) |
チャットAIが文章を作っても、その文章を貼り付けて送るのは人です。入力も保存も送信も、人がやります。
AIエージェントは、画面を見て、マウスとキーボードでパソコンを操作します。Claudeを提供するAnthropicは、コンピューター操作の機能の説明で、画面の撮影、マウスの操作、キーボードの入力を、Claudeができる操作として挙げています。
チャットAIを使っても作業は人がやり、AIエージェントを使うと作業はAIがやります。
AIエージェントに作業を任せると、人がやるのは最後のボタンを押すことだけになる
AIエージェントに作業を任せると、人がやるのは最後にボタンを押すことだけです。私が社内で組んだAIエージェントのうち、3つの作業について、AIがやることと人がやることを分けると、以下のとおりです。
| 作業 | AIがやること | 人がやること |
|---|---|---|
| 外部サイトでのメッセージ送信 | 条件を入れて相手を探し、プロフィールを読んで送る相手を選び、相手に合わせたメッセージを作る | メッセージを見て、送信ボタンを押す |
| 掲載サイトへの登録 | 資料と写真を読んで項目を入力し、紹介文を作って登録する | 確認して、公開に切り替える |
| 社内システムへの書類の登録 | 書類のPDFを読んで種類を分け、ファイル名を付け、該当する欄に登録する | 保存ボタンを押す |
表の「AIがやること」の列に並ぶ作業は、これまで人がやっていました。メッセージ送信の作業では、年約900万円のコストを削減できました。送ったメッセージに返信が来る割合も、わずかに上がっています。
人がやるのは、送信・公開・保存のように、実行すると取り消せない操作だけです。
取り消せない操作を人がやる形は、Anthropicも勧めている
取り消せない操作を人がやる形は、Anthropicも勧めています。Anthropicは同じ説明の安全上の注意で、現実に大きな影響が出る判断と、同意が要る操作は、人に確認を求めるよう勧めています。例に挙げているのは、お金の取引と、利用規約への同意です。また、AIエージェントの作り方を書いた記事(2024年12月19日)では、AIエージェントは途中の確認地点や先へ進めなくなったところで止まり、人の判断を待てると書いています。
送信・公開・保存を人がやる形にしておけば、AIが間違えても、送る前や公開する前に人が間違いに気づけます。
質問の答えがほしいだけなら、チャットAIで足りる
調べものや文章の下書きのように、答えを読めば済む用事なら、チャットAIで足ります。AIエージェントが役に立つのは、人が答えを受け取ったあとに、同じ入力や登録を何度もくり返している作業です。
答えがほしいときはチャットAIを、くり返している作業を減らしたいときはAIエージェントを使います。
よくある疑問
Q:AIエージェントは、何を使って組めばよいのでしょうか。
A:私はClaudeを使って組んでいます。作業の手順を日本語で書いて渡すと、Claudeがその手順どおりに画面を操作します。
最初にAIエージェントに任せるのは、手順を言葉にできる仕事
最初にAIエージェントに任せる仕事の条件と、任せ方の決まりは、以下のとおりです。
| 始めやすい仕事 | 任せ方の決まり |
|---|---|
| 毎回同じ手順で進む | 取り消せない操作は人が押す |
| 判断の基準を言葉にできる | AIが判断できないときは作業を止め、人に判断を返す |
| 間違えても取り返せる | 完璧を待たず、動かしながら直す |
たとえば、毎朝届く書類を、種類ごとに分けてファイル名を付け直す作業が当てはまります。「申込書なら、顧客名と日付をファイル名にする」のように、判断の基準を1行で書けます。分け方を間違えても、あとで移し直せます。
毎回同じ手順で進み、判断の基準を言葉にでき、間違えても取り返せる仕事から、AIエージェントに任せます。
まずは、毎週くり返している作業を1つ選び、手順を1行ずつ書き出してみてはいかがでしょうか。書き出せない行が残ったら、その行の判断の基準を言葉にするところから始めることを検討してみてください。



