拡張機能の「権限がない」は、ログイン済みでも出る。だから直す場所は、拡張機能のアイコンの側にある

ブラウザの拡張機能が、エラーを出しました。文面は、このドメインのページを読む権限がない、という趣旨のものです。ただ、そのサイトに私はログインしたままでした。ログアウトした覚えもありません。

こういうときに真っ先に案内されるのは、ログインのやり直しです。セッションが切れている、Cookieが残っていない、いったんログアウトして入り直す。調べて出てくる手順も、だいたいそこから始まります。

答えを先に書きます。ログインは切れていませんでした。足りなかったのは、拡張機能がそのページを触ってよい、という別の許可のほうです。この2つは名前が似ているだけで、設定する場所も、許す相手も違います。

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ログインは切れていなかった

エラーが出たとき、私が最初に考えたのはログインのやり直しでした。文面に権限という語があり、権限で真っ先に浮かぶのがログインだったからです。

その案は捨てました。サイトを開き直しても、ログイン済みの画面がそのまま表示されたからです。切れていないものを、もう一度つなぎ直しても何も変わりません。

かわりに拡張機能の側を開いて、そのサイトへの許可を出しました。同じ操作が、そのあと1回で通りました。設定を触った回数は1回です。ログインには、最後まで手をつけていません。

エラーの文言に、どちらの話かは書かれていない

権限という1つの言葉に、2つの状態がぶら下がっています。1つはサイトへのログインで、そのサイトが私をログイン済みの利用者として扱うかどうかです。もう1つは拡張機能のサイト許可で、ブラウザが拡張機能にそのページの中身を読ませるかどうかです。

エラーの文面は、このうちどちらが欠けているのかを書きません。書かない理由は、その文面を出しているのが拡張機能だからです。拡張機能がブラウザから受け取っているのは、このアドレスへの許可を持っていない、という情報だけです。ログインの状態は、そもそも拡張機能まで届いていません。

実物の文言も、同じ形をしています。Chromeが返すのは Cannot access contents of the page. Extension manifest must request permission to access the respective host. で、Firefoxが返すのは Missing host permission for the tab です。ここでいうホストとは、サイトのアドレスのことです。どちらも、そのアドレスへの許可がない、としか言っていません。ログインという語は、どちらにも入っていません。

エラーを見た人がログインを疑うのは、自然な読み方である

権限も、アクセスも、許可も、日常でいちばん多く使われるのはログインの文脈です。だから権限がないと表示されたとき、ログインを疑うのは自然な読み方です。書かれていないもう1つを思いつくには、そこに2つあると先に知っている必要があります。

これは注意力の問題ではありません。1つの言葉が2つの状態を指していて、文面はどちらの話か言わない。ここまでは実際の文言のとおりで、あとはどちらを先に知っていたかで読み方が決まります。

直す場所は、拡張機能のアイコンの側にある

サイトの側の画面をいくら探しても、この設定は出てきません。マイページにも、アカウント設定にも、ログアウトの並びにもありません。拡張機能に何を許すかを持っているのはサイトではなく、ブラウザだからです。

入口は、ツールバーに並んでいる拡張機能のアイコンか、パズルピースの形をした拡張機能ボタンです。Chrome、Firefox、Edgeのいずれも、そこからサイトごとの許可のメニューに入れます。管理画面から入る道もありますが、目の前のサイトを1つ許すだけなら、アイコンからのほうが短く済みます。

許すときの粒度は、3つのブラウザとも同じ3段階です。拡張機能をクリックしたときだけ、いま見ているサイトでは常に、すべてのサイトで常に。困っているのが1つのサイトなら、真ん中を選べば足ります。

Chrome、Firefox、Edgeで、同じ設定の呼び名が3つとも違う

3つのブラウザとも、実際の表記を確かめました。

Chromeでは、ツールバーの拡張機能アイコンを開き、その他アイコンから「サイトデータの読み取りと変更を行います」に入ります。そこに並ぶのは「拡張機能をクリックしたとき」「いま表示しているサイトの名前」「すべてのサイト」の3つです。管理画面の側では、同じものが「サイトへのアクセス」という名前になっていて、選択肢は「クリックされた場合のみ」「特定のサイト」「すべてのサイト」です。同じブラウザの中でも、入口によって名前が変わります。

Firefoxでは「データの取得と変更を許可する条件:」という見出しの下に、「クリック時のみ」と「すべてのサイト上」、そしていま見ているサイトのアドレスに「サイト上」を付けた項目が並びます。許可が足りていないときの状態表示は「このサイトのデータの取得と変更: 権限が必要」で、ボタンの上に出るのは「権限が必要です」です。

Edgeでは「その他のアクション」から「サイト データの読み取りと変更が可能になります」に入ります。管理画面の側では「サイト アクセス」という名前になっています。

表記はバージョンで変わります。だから、ここに書いた語句をそのまま探しにいくと、見つからない日が来ます。覚えておくなら、語句ではなく、次の見分け方のほうです。

設定画面に出てこない語が、見分ける手がかりになる

3つのブラウザの言い回しを並べると、共通しているものが見えます。データ、読み取りまたは取得、変更。どれもこの3語の組み合わせで書かれています。

そして、3つとも出てこない語があります。ログイン、アカウント、ID、パスワードです。拡張機能のサイト許可を選ぶ画面には、この4語が1つも現れません。

ここが見分け方になります。開いた画面に、自分が疑っている語が出てくるかどうかです。ログインが切れたと思って開いた画面に、ログインという語が1つも無いなら、そこはログインを直す場所ではありません。逆も同じで、サイトのアカウント設定に拡張機能の名前が出てこないなら、その画面で拡張機能の許可は出せません。

ログインと拡張機能の許可を分けて呼ぶと、触る設定は1つで済む

ログインし直しも、ブラウザの再起動も、キャッシュの削除も要りませんでした。遠回りになっていたのは、権限という1語を、ログインの話としてしか読めていなかった間だけです。

分けるのは難しくありません。サイトへのログインと、拡張機能のサイト許可。2つに別々の名前をつけてしまえば、どちらが欠けているかを、それぞれの画面で1回ずつ確かめられます。

いまログインしているはずのサイトで拡張機能が止まっているなら、サイトの側を触る前に、ツールバーのアイコンを1回開くところから始められます。そこにデータの読み取りと変更の話が出ていれば、欠けているのはログインではありません。あなたのブラウザでは、その設定は何という名前で並んでいるでしょうか。

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