サイト保守をAIエージェントに任せるには、どんな要件が必要か?

サイト保守をAIエージェントに任せるには、人がやるタスクとAIエージェントがやるタスクを分けておくことが要件になります。

では、人にはどのタスクが残り、どこまでAIエージェントに任せてよいのでしょうか。

目次

AIエージェントは、サイト保守の作業をもうこなせる

サイト保守の内容にある作業は、AIエージェントがもうこなせます。私がそれを知ったのは、WordPressで運用しているサイトで、プラグインを更新できなかったときです。プラグインの新しい版が、サーバーで動いているPHPより新しいバージョンを必要としていました。

私がAIエージェントに頼むと、AIエージェントはブラウザを操作して、サーバーの管理画面でPHPのバージョンを切り替え、ページが表示されるかを確かめ、プラグインを更新するところまでを終えました。その時に、文言や画像の差し替えのような保守の作業は社内で回せると気づきました。

保守の作業ごとに、AIエージェントがやることと人がやることを分けると、以下のとおりです。

保守の作業AIエージェントがやること人がやること
プラグインの更新更新して、ページが表示されるかを確かめる更新を許可する
PHPのバージョンの変更管理画面で切り替えて、表示を確かめる切り替えを許可する
文言や画像の差し替えページを直し、別のAIエージェントが直した内容を確かめる何を直すかを決める
サイトの監視朝と夜にページが開けるかを確かめ、異常があれば人に報告する報告を受ける
改ざんや障害への対応状況を調べて人に報告し、対処の方針を示す方針を許可する
デザインの変更デザイン案を出し、ページを直す何を変えたいかを決める

人がやるのは、課題を定義することだけにする

サイト保守のタスクを、課題を定義するタスクと課題を解決するタスクに分け、人は課題を定義するタスクだけをやることが要件です。表の右の列も、何を直すか、何を変えたいかを決めることと、AIエージェントが示したものを許可することだけになっています。

デザイン案を考えることや、作業の段取りを組むことは、課題を解決するタスクです。ここはAIエージェントで十分です。

確認は、別のAIエージェントに任せる

AIエージェントが直したページの確認も、人がしないことが要件です。課題を解決するタスクの中には、出来上がりの確認も入ります。直すAIエージェントとは別に、確かめるためのAIエージェントを2つか3つ回せば、表示が崩れていないか、問い合わせのフォームから送信できるかを確かめられます。

人が確認を引き受けると、課題を定義するタスクのほかに、課題を解決するタスクまで人に戻ってきます。

障害が起きたら、AIエージェントが方針を示し、人が許可する流れにする

改ざんや障害については、AIエージェントがサイトを監視し、人に報告し、対処の方針を示し、人が許可する流れにしておくことが要件です。人がやるのは、示された方針を許可するかどうかを決めることです。

コストが高くつくのは、イレギュラーが起きたとき

私は、外注するより、すでにAIエージェントに頼んだほうがコストは見合っていて、コストが高くつくのはイレギュラーが起きたときだと考えています。外注していれば、イレギュラーが起きても制作会社が対処してくれます。AIエージェントに任せていると、イレギュラーには自分で対処しないといけません。

社内でまかなうために、コーディングとデザインの両方ができる人を雇うと、外注するより高くつきます。AIエージェントに任せれば、その人を雇わずに済みます。

WordPressで運用すると、さらに任せやすくなる

WordPressで運用していると、AIエージェントにさらに任せやすくなります。WordPressでの運用は、満たしていなくても任せられ、満たしていればさらに任せやすくなる条件です。静的ページのサイトは、HTMLのファイルを直したあと、そのファイルをサーバーに上げて公開します(MDNの解説)。どのファイルがどのページに当たるかはサイトごとに作りが違うので、AIエージェントはまず構造を読み解くところから始めます。

WordPressなら、ページの編集も、プラグインの更新も、管理画面から行えます。WordPressの管理画面は、AIエージェントもよく知っていると思います。直す前の版はリビジョンとして残り、管理画面から戻せます。AIエージェントがWordPressを操作するための仕組み(MCP Adapter)も、WordPressの公式から出ています。

WordPressでは、本体に加えて、入れたプラグインの数だけ更新の手間が増えます。その更新は、最初の章で見たとおり、AIエージェントがこなせる作業です。

さらにAIが進化したとき

AIのほうが人間よりミスをしないので、さらにAIが進化すると、イレギュラーそのものが減っていくと思います。イレギュラーが減れば、自分で対処する回数も減り、AIエージェントに任せるコストはさらに下がります。

先月の依頼を、課題の定義と課題の解決に分ける

いま外注しているサイト保守の依頼を、課題の定義と課題の解決に分けておくと、どこまでAIエージェントに任せられるかが見えます。材料にするのは、先月、外注先に出した依頼です。

  1. 先月、外注先に出した依頼を1件ずつ書き出す
  2. 依頼ごとに、自分が決めたこと(何を直すか、何を変えたいか)を書く
  3. 依頼ごとに、外注先がやったこと(デザイン案、作業、確認)を書く

3つ目の手順で書いたことが、AIエージェントに任せられるタスクです。2つ目の手順で書いたことだけが、人に残ります。

よくある疑問

Q:サイト保守の内容には、何がありますか。

A:ドメインとサーバーの管理、SSL証明書の更新、CMSとプラグインの更新、バックアップ、監視と障害への対応、文言や画像の更新が主なものです。このうち、何を直すかを決めることと、AIエージェントが示した方針を許可すること以外は、AIエージェントがこなせます。

Q:静的ページのままでは、AIエージェントにサイト保守を任せられませんか。

A:文言の差し替えのように、HTMLを直す作業は任せられます。ただ、直したファイルをサーバーに上げる手順と、どのファイルがどのページに当たるかを読み解く手間が残ります。任せる範囲を広げたいなら、WordPressへ移すことを検討してみてはいかがでしょうか。

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