フレックスタイム制にすると、残業の事前申請は減らせるのか?

フレックスタイム制にすると、日ごとの残業申請はいらなくなります。申請が残るのは、月の総時間を超えそうなとき、深夜に働くとき、休日に働くときの3つです。

しかし、始業と終業を社員が自分で決める制度で、朝礼や店の鍵開けはどうなるのでしょうか。残る申請と、当番や休日の決め方を順に並べます。

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フレックスタイム制では、1日8時間を超えても残業にならない

フレックスタイム制では、残業かどうかを1日ごとではなく、清算期間の総時間で判定します。清算期間は、働いた時間をまとめて数える期間で、1か月から3か月の間で会社が決めます。厚生労働省の手引きも、1日8時間・週40時間を超えて働いても、ただちに時間外労働にはならないとしています。

ある週に、次のように働いたとします。合計は40時間です。

曜日働いた時間1日8時間で判定する働き方の残業フレックスタイム制の残業
月10時間2時間なし
火6時間なしなし
木9時間1時間なし
金7時間なしなし
土8時間なしなし
合計40時間3時間(月と木に申請が要る)なし(総時間の中で本人が調整した)

申請が残るのは、月の総時間を超えるとき、深夜、休日の3つ

日ごとの申請はなくなりますが、割増賃金が付く3つの働き方は、フレックスタイム制でも申請の対象として残ります。

申請が残る場面付く割増フレックスタイム制ならではの扱い
月の総時間を超えそうなとき時間外の割増足りなかった時間は翌月に回せるが、超えた時間は翌月に回せない
22時から5時に働くとき深夜の割増フレックスタイム制でもそのまま付く
法定休日に働くとき35%以上の割増月の総時間とは別に数える

清算期間を1か月より長くする場合は、各月の労働時間が週平均50時間を超えた分を、その月に割増賃金として払い、労使協定を労働基準監督署へ届け出ます。総時間を超えそうな人には、勤怠システムから月の途中で通知を出せば、本人が毎日数えなくて済みます。

定休日に出たい社員は、自分の休日を別の曜日に決められる

休日を全員共通にせず、勤務表で1人ずつ決める形にすれば、定休日に出たい人は、自分で選んだ別の曜日に休めます。営業職には、電話を取れるのが自分1人になる定休日に、あえて出たい人がいます。

休日の決め方定休日に出るときの手続き就業規則に書くこと
1人ずつ勤務表で決める要らない。その人にとって定休日は出勤日になる休日は週2日とし、各人の休日は月ごとの勤務表で定める
全員共通にする出る週ごとに、休む日を前もって別の日へ移す(振替休日)振替休日の手続き

朝礼と鍵開けの当番は、当番の日だけコアタイムを設けて決める

全員がいなければならない時間帯(コアタイム)は、日によって設けたり、時間帯を変えたりできます。厚生労働省の手引きが認めている形で、店舗の当番は次のように置けます。

当番コアタイムの置き方
朝礼朝礼をする曜日だけ、朝礼の時間をコアタイムにする
鍵開け当番の日だけ、その人のコアタイムを開店時刻からにする
閉店作業当番の日だけ、その人のコアタイムを閉店時刻までにする

当番の日があまりに多いと、会社が毎日のように出勤時刻を決めている状態になり、フレックスタイム制として認められにくくなると思います。当番は輪番にして、1人あたりの回数を抑えます。鍵の開け閉めを店長の仕事にする方法もあります。

申請が減っても、働いた時間は打刻で毎日残る

フレックスタイム制でも、会社は社員が実際に働いた時間を把握する義務を負います。日々の出勤と退勤はこれまでどおり打刻し、月末に本人が自分の勤怠を確かめ、店長が承認します。変わるのは、長く働いた日のたびに申請を出すことがなくなる点だけです。

よくある疑問

Q:フレックスタイム制でも、朝礼への参加を求められますか。

A:朝礼の時間をコアタイムにすれば、全員の参加を前提にできます。コアタイムの外で開く朝礼は、参加を命じるのではなく、参加できる人が出る形になります。

Q:いまの変形労働時間制と、フレックスタイム制は一緒に使えますか。

A:同じ社員に両方を当てることはできないはずです。フレックスタイム制にするなら、対象の社員は変形労働時間制から切り替えます。

申請を減らすなら、先に当番と休日の決め方を決める

導入の前に、朝礼と当番をどの日のコアタイムにするかと、休日を誰が決めるかを先に決めておくと、申請の少ない形で始められます。まずは、いまの当番表を1か月分並べて、コアタイムにしなければならない時間がどれだけあるかを数えてみてはいかがでしょうか。

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